• 代表取締役社長 森 雄一

2014年3月号(vol.59)


先月は六田君と大江君に「中堅社員一泊研修」を受講してもらった。中堅社員の役割を考えるもので、主催者から「社長もできる限り参加して社員の成長を見届けて欲しい」という要望もあり、二人が悩みながらも変わりつつある姿を見ることができ、有意義な時間だったと思っている。その研修二日目、講師からこんな話をお聞きした。「会社では今までのトップダウンからボトムアップへと変えていくと聞きました。良い事だと思いますが、社長の意図が社員さんには伝わっていないようです。」この言葉を聞いて私は愕然とした。経営計画発表会で会社の方針、スローガンに込める想いを皆さんにしっかり伝えたつもりが全く伝わっていなかったということであり、反省を込めて改めて説明しておきたい。

今までは社長である私が工務・営業部門長を兼務していたこともあり、トップダウンで物事を進めてきた。赤字が続く状態から抜け出すには悠長な時間など無く、無理矢理にでもそこへ向かわせるしか無かったからである。その効果は3年で現れ、利益を残せる会社へと持ち直すことができた。当時の森組にはトップダウンこそが必要だったのだろう。しかしこれからの森組を見据え、経営ビジョンにある「社員の幸福」を考えた時、トップダウンだけでは、生き生きと笑顔で働く姿がイメージできなかったのだ。私たちは感情のある人間であり、決してロボットではない。「機械のように何も考えず言われた事だけやっていればいい」という会社と「どうすれば目的を達成できるか自分たちで試行錯誤する」会社では、後者の方が大変かもしれないが楽しさや喜びが湧き、会社での自分の存在意義を実感できるのではないだろうか。

私の考えに皆さんの考えもプラスし一緒に会社を創っていく、そんなワクワクする会社づくりをしていきたい。トップダウンでは最高でも私の目指すレベルにしか届かないが、「和の力」を集めれば想像も出来ない大きな可能性が生まれるはずだ。「生き生き笑顔」で大きな飛躍を遂げる会社へと脱皮することに期待しつつ、私の想いを伝えられていなかった事に気付かせてくれた研修に感謝する。

 

代表取締役社長 森 雄一

  • 代表取締役社長 森 雄一

  • 最近の投稿

  • 月刊アーカイブ