• 代表取締役社長 森 雄一

2019年2月号(第118号)


 横綱稀勢の里がついに引退した。引退会見で見せた涙には、日本出身横綱として期待を一身に背負った重責、怪我の影響で思うように力が出せないもどかしさ、ファンに復活した姿を見せたいという責任感、様々な思いが滲んでいたように思う。「私の土俵人生に一片の悔いもありません」との言葉は、これでダメなら仕方がないと思えるだけの血の滲むような努力をしてきたからこそ言えるのだろう。先代の師匠からは「横綱になると見える景色が違う」と言われ、その景色を見ようと必死に稽古を重ねてついに掴んだ横綱の座。しかしながら、先代の見ていた景色は見えなかったと残念がった。

 私はかねてからサマーチャレンジに関わる学生スタッフに、「2年目、3年目、4年目の景色を見て欲しい」と言ってきた。自分が成長するにつれて、同じ研修を受けていても違った角度で物事を捉える事ができ、新たな気づきを得られるからである。真剣に取り組むからこそ見える事、感じる事があり、それが自己の成長に繋がるのだ。

 稀勢の里は中学の卒業文集で「努力で天才に勝ちます」と綴ったという。社員の皆さんも今年の目標が決まり、それに向かって逃げずに突き進んで欲しい。有言実行できた時、きっと今までの自分を超える事ができるはずだ。そこにはどんな景色が見えるだろうか。

 

代表取締役社長 森 雄一

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