• 代表取締役社長 森 雄一

2023年5月号(第169号)


 最近よく耳にする「チャットGPT」をご存知でしょうか。米国のOpen AI社が開発した、人工知能(AI)を使ったチャットサービスで、人間の質問に対してまるで人間のように自然に答える技術を搭載しており、利用者が急増している。そのチャットGPTに、今度社員旅行で訪れる「出雲大社の見どころを300字以内でまとめて」と質問すると、以下の回答であった。
 「出雲大社は、古代神話における国生み神話の中心地であり、日本でも有数の古社のひとつです。出雲大社の最大の見どころは、本殿、拝殿、末社、拝殿前広場、御手洗池などが挙げられます。特に本殿は国宝に指定されており、出雲大社の由緒や歴史を感じることができます。出雲大社は毎年10月に行われる「神在祭」が有名で、多くの観光客が訪れます。出雲大社を訪れる際には、ぜひこれらの見どころを巡って、神話の世界を感じてみてください。」
 このような回答が、わずか数秒で出てくるのだから驚きだ。テスラCEOのイーロン・マスク氏は「チャットGPTは恐ろしくすごい。危険なほど強力なAIが現実味を帯びてきた」と語り、マイクロソフト元会長のビル・ゲイツ氏は「これは革命だ」と言い切るほど、世界中を震撼させているのだ。急激に進化するAIが武器にも凶器にもなりうる現代において、私たちはどう向き合っていくべきだろうか。

代表取締役 森 雄一

2023年4月号(第168号)


 第5回WBCワールドベースボールクラシックは、日本が14年ぶりに王座を奪還し、見事世界一に輝き幕を閉じた。栗山監督率いる今回の侍ジャパンは豪華メンバーが顔を揃え、まさに史上最強チームとして、私たちにたくさんの勇気と感動を与えてくれた。特に準決勝のメキシコ戦での逆転サヨナラ勝利は、勝利への執念と絶対に諦めないという姿に鳥肌が立ち、決勝のアメリカ戦では選手を信じ切る栗山監督の7投手による見事な継投で、最後は大谷がトラウトを歴史に残る名勝負の末に空振り三振に仕留め、侍ジャパンが世界中を魅了した素晴らしい大会となった。
 この大会期間中に開幕した春の選抜高校野球において、「ペッパーミルパフォーマンス」が物議を醸している。このパフォーマンスはWBC日本代表選手が出塁した時などに味方を鼓舞するポーズで、流行りのポーズをマネした選手が審判から注意を受けたというものだ。確かに相手チームのエラーで出塁した際に行なったことはあるにせよ、WBCの盛り上がりを見れば高校生がマネをするのは容易に想像できたはずだ。「高校野球にパフォーマンスは必要無い」と言うのであれば、事前に慎むよう通達できたのではなかったか。注意されたチームは萎縮したのか敗戦となり、何とも後味の悪さだけが残ってしまった。
 今回のWBCでは、若い侍ジャパンたちが大活躍した。それも大好きな野球を伸び伸びとプレーしたからこそ招いた結果だと思う。若者を頭ごなしに否定するよりも、良い面は伸ばし、足りない部分に気づかせる指導が必要なのだろう。

代表取締役 森 雄一

2023年3月号(第167号)


 3/1〜7の4泊7日で、県建設業協会常任理事会研修視察のため、豪メルボルン・シドニーへ出掛けた。コロナ禍では中止になっていたが、これまで常任理事会では2年に一度、海外研修を行なっていたようで、私が令和元年に県の土地改良委員長に就任してからは初の海外研修であり、コロナ禍や円安であまり気乗りはしなかったが断るわけにもいかず、渋々参加することにした。
 今や海外への渡航制限も無くなり、機内はほぼ満席。約10時間のフライトで足のむくみなど身体中の痛みに耐えながらも何とかシドニーへ到着。空港を降りるとそこは様々な人種が溢れ、何よりマスクを着用しているのは日本人くらいのもので、コロナに対する対応が国によりこんなにも違うものかと驚かされる。私たちの団体でも「郷に入っては郷に従え」と、すぐにマスクを外す人も若干いたが、この3年間マスクを着用し続け、人前でマスクをしないことがあたかも罪であるかのような感覚になっている状況では、さすがにマスクを外すことに躊躇いがあった。それでも翌日からは私たちの団体だけの行動のため思い切ってマスクを外してみたのだが、最初は何か落ち着かなかったが徐々に慣れていった。
 今回の旅行を通して、コロナ禍のこの3年間で、私たちの価値観が全く変わってしまったことを改めて強く感じると共に、マスクの無い生活がどれだけ快適で、人々の表情を確認できることがコミュニケーションにおいていかに重要かを痛感した次第である。日本国内でも3/13からはマスク着用が自己判断となるが、先日の社員会議でも述べたとおり、就業時間内は屋内外問わず引き続きマスクを着用し、感染防止対策の徹底をお願いしたい。決してコロナが無くなるわけではないが、マスクの無い生活まで、もう少しの所まで来ている。

代表取締役 森 雄一

2023年2月号(第166号)


 先日の週末、「経営計画作成合宿セミナー」なるものを2日間受講した。いつも購読しているメルマガでこのセミナーが目に止まり、どのようなものなのか、受講して恥をかかないだろうか、週末ぐらいゆっくり休みたいなど、不安や怠け心との葛藤を繰り返し、それでも会社を良くしたい、経営者として成長したいとの思いから、思い切って受講することにした。
 セミナーには当たり外れも多いが、このセミナーは大当たりだった。経営計画を作成する手法だけではなく、経営とは何か、理念方針とは何か、会社の強み弱み、数字計画、利益分配、内部管理、顧客創造計画などなど、多くの気づきと学びを与えてくれ、2日間があっという間に感じるほど有意義な時間となった。また、参加者同士の情報交換も、業種や商圏がバラバラのため腹の探り合いが無く、有益な情報を惜しみなく提供し合うという、まさに宝箱のようなセミナーであった。
 「セミナーの中で、「社長の役割とは、今日とは違う明日をつくることである」という言葉にハッとして自問した。私は日々成長できているだろうか、会社を成長させているだろうか、社員に今日とは違う未来の姿を示しているだろうかと。私を奮い立たせてくれるのは、社員の皆さんの存在があるからです。皆さんは、誰の笑顔のために頑張れますか?

代表取締役 森 雄一

2023年1月号(第165号)


 穏やかな新春を迎えられたこと、大変嬉しく思います。今年の干支は「癸卯(みずのと・う)」で、「癸」は生命の終わりを意味するとともに、次の新たな生命が成長し始めている状態を意味します。「卯」は穏やかなうさぎの様子から安全、温和の意味を持ち、また、うさぎのように跳ね上がるという意味から卯年は何かを開始するのに縁起がよく、希望があふれ、景気回復、好転するよい年になると言われています。この2つの組み合わせである「癸卯」には、これまでの努力が実を結び、勢いよく成長し飛躍するような年になると考えられるそうです。
 今期のスローガンには「安心して働ける職場環境の実現」を掲げました。いまだに続く新型コロナウイルスの影響、ロシアによるウクライナ侵攻、物価上昇や金利上昇による経済不安など、私たちはまだまだ不安定な状況にある中で、安心して働ける環境を整えることが「社員の皆さんの笑顔のために」繋がると確信しています。ひとり一人の努力が実を結び、飛躍の年となるよう、心新たに取り組んでいきましょう!

代表取締役 森 雄一

2022年12月号(第164号)


 サッカーW杯カタール大会において、森保ジャパンがドイツ、スペインを破る歴史的勝利を上げ、グループ首位で決勝トーナメントに進出した。今大会の開幕前は、世間の期待も関心もさほど高くなかったように感じられたが、初戦のドイツ戦の逆転勝利から一転して日本代表を称賛する熱狂ぶり。手のひら返しとはまさにこのことで、素晴らしい活躍に脱帽するばかりだ。
 特にスペイン戦でのVAR判定による逆転ゴールは、誰もがゴールラインを割ったであろうと思われたが、三苫選手の「1ミリでもピッチの中に入っていればいいと思って足を伸ばした」という、絶対最後まであきらめない姿勢に勝利の女神が微笑んだに違いない。試合後、森保監督は「苦しい戦いだったが、選手たちは“自分たちはできる”と信じ続けた」、同点ゴールの堂安選手は「必ず決めると信じていた」、逆転ゴールの田中選手は「自分たちを信じていた」とコメントしており、仲間と自分を信じる気持ちが奇跡的な勝利を呼び込んだのだ。
 クロアチア戦はPK戦の末に惜しくも敗れたが、彼らの成し遂げた偉業は決して色あせるものではない。興奮と感動を与えてくれた日本代表に、心から感謝したい。

代表取締役 森 雄一

2022年11月号(第163号)


 プロ野球日本シリーズは昨年と同じくオリックスVSヤクルトの戦いとなり、オリックスが4勝2敗1分けで昨年のリベンジを果たし、26年ぶりの日本一に輝いた。これにて今季の戦いは幕を閉じたが、今年の話題は何といっても日本人最多となる56本塁打、そして史上最年少で三冠王に輝いた、ヤクルトの「村神様」こと村上宗隆選手だろう。王貞治の55号に並んでから記録更新までにはプレッシャーもあり長いトンネルに入ったが、最終戦最終打席での本塁打は地鳴りのような歓声で、今シーズン最も沸いた瞬間だっただろう。村上選手はまだ高卒5年目の若干22歳。2年連続で沢村賞に輝いたオリックスの山本由伸投手も24歳と、どちらも若くして今や球界を代表する選手となっていることに驚くばかりである。
 他のスポーツでも若手の台頭が目覚ましい。卓球にせよゴルフにせよ、20歳前後で頂点に上り詰める現状を見ると、若さの持つエネルギーには無限の可能性があることを実感する。かたや大相撲においては先場所、玉鷲関が37歳10ヶ月で2回目の優勝を飾った。最年長優勝と騒ぎ立てる周囲をよそに、「歳は単なる数であり、これからもお客さんが喜ぶような若々しい相撲を取りたい」と語る。年齢による体力の衰えを物ともしない気力と熱意には見習うべきものがある。
 かの稲盛和夫氏は、「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」であると説いている。我が社にもベテランから若手まで様々だが、ひとり一人が益々輝くよう、考え方と熱意と能力を磨いていこう。

代表取締役 森 雄一

2022年10月号(第162号)


 安倍晋三元首相の国葬が日本武道館で執り行われた。首相経験者の国葬は1967年の吉田茂氏以来55年ぶりのことである。会場近くに設けられた一般向けの献花台には夕方になっても人の波が途切れず、長蛇の列をなしたとのこと。首相官邸や国会では半旗を掲揚、当社でも同様にして弔意を表した。しかし一方では反対派によるデモが行われ、いくら賛否はあろうとも、せめてこの日ぐらいは静かに故人を見送ることができなかったのかと、ましてや国際社会に対してこの光景がどのように映ったか、同じ日本人として恥ずかしく残念でならない。
 友人代表として弔辞を読んだ菅義偉前首相の言葉からは、悲しみと無念さ、故人への尊敬や愛情が滲み出ており、とても胸を打たれた。あらためて日本にとって大切な人を失ってしまったことに深い悲しみを覚えずにはいられない。

代表取締役 森 雄一

2022年9月号(第161号)


 インターンシップとは、学生が社会に出る前にビジネスの現場を体感できる貴重な機会であり、近年では約9割の学生が参加するとあって、新卒採用には不可欠な重要なプログラムとなっている。我が社においても以前からインターンシップの受け入れをしていたが、昨年から学生がより積極的に取り組めるようプログラムを全面的に見直し、建設業に対する興味や希望を持てるものに改定した。今夏のインターンも数名の申込みがあり、学校では教えてくれない良い学びの機会になったとの言葉をいただいている。ICT・CADの体験プログラムや現場見学、学生との意見交換に協力してくれた皆さんには感謝していますし、さらに良いプログラムのためのバージョンアップもお願いしたいところです。
 近年の採用活動の傾向を見ると、昨年から学生たちが我が社に目を向けてくれるようになったのが明らかに見てとれる。総務の採用担当者の努力と熱心な勧誘の賜物であろうと思うし、土曜を完全休日にしたことも大きな要因だ。今の若者は学校時代からすでに土日休みが当たり前の世代で、会社選びの際に土日が休みでないと箸にも棒にもかからないという。そういう意味においても、昨年から休日見直しなどの働き方改革を断行して本当に良かったと感じている。今後も時代の流れに対応しつつ、社員の皆さんと共に良い会社をつくっていきたい。

代表取締役 森 雄一

2022年8月号(第160号)


 安倍晋三元首相が選挙演説中に銃撃され凶弾に倒れるという、銃を持たない日本において信じられない、あってはならない事件が起きた。保守派を象徴する政治家で、日本において無くてはならない存在を失ってしまったことは国家的損失であり、心からご冥福をお祈りします。
 安倍元首相は、我が国の憲政史上最長となる政権を築き、経済政策や外交政策を中心に多大な功績を残された。まずは「デフレからの脱却」を掲げて放ったアベノミクス三本の矢により株価が回復、有効求人倍率も上昇し経済を成長軌道へと導いた。外交では「地球儀を俯瞰する外交」を推し進め、集団的自衛権の限定的な行使を容認し、安全保障関連法を成立させるなど、国際社会における日本の存在感をまぎれもなく押し上げた偉大な国家リーダーであった。
 今後気になるのは、あれだけの国家観を持ち、戦略的に国益に寄与するリーダーに誰がなりうるのか、自民党の悲願である憲法改正が実現するのか、その動向に注視したい。

代表取締役 森 雄一

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