• 代表取締役社長 森 雄一

2024年4月号(第180号)


 2月の気温を考えると、今年の開花は相当早くなるのではないかと思われたが、3月の寒の戻りによって、富山市の開花は4月2日、観測史上最も早かった昨年より11日遅い開花となった。この社内報が発刊される頃は、満開の桜が私たちを楽しませてくれているだろう。我が社では4月1日に2名の女性社員が入社し、まさに春爛漫といったところだろうか。建設技術者としてはまだ未熟な蕾であるが、彼女たちの向上心と先輩たちの温かい指導によって、技術者として満開の花を咲かせることを期待している。
 厳しい冬を乗り越えて草花が一気に芽吹き、心踊る季節のはずなのだが、ついに私も花粉症になったようだ。実は昨シーズンからその兆候が現れていたのだが、病は気から、自分は花粉症になるはずがないと突っぱねてみたものの、先月から鼻水、くしゃみ、目のかゆみにたまらず病院へ。抵抗の術なく、あえなく花粉症の烙印を押されてしまったのである。恐るべしスギ花粉・・・。はたして花粉症との戦いは、この先ずっと続くのであろうか。そう思うと、春といえども心が晴れないのである。

代表取締役 森 雄一

2024年3月号(第179号)


 先月末の日曜に、能登半島地震の被災地である七尾市でのボランティア活動に参加した。義援金などの支援もそうだが、自分にできることがあるなら直接協力したいとの思いから、個人的に石川県災害対策ボランティアに登録して参加することとなった。
 当日は早朝に石川県地場産センターに集合し、大型バスで被災地へ向かい、ボランティアセンターでのオリエンテーション後、班ごとに分かれて活動を行った。私の班は3軒の民家において、破損した家具や冷蔵庫の搬出、倒壊したブロック塀の撤去、そして廃棄物の仮集積所での分別作業を行った。七尾市では倒壊した家屋は見られなかったのだが、それでも物凄い量の廃棄物が集積されており、珠洲市や輪島市ではこんな比ではないだろうと想像できた。ボラセンで聞いたところ、その時点では被災者から2500件ほどのボランティア依頼があるが、まだ500件ほどしか対応できておらず、まだまだマンパワーが足りていないことを実感した。奥能登という地理的条件がゆえの導線の不足、被災地までのバスと運転手の不足、宿泊地が無いために現地での活動時間が限られること、様々なマイナス要素が絡み合い、復興までには相当な年月が必要だろうと感じた。
 今回、被災地をテレビや新聞を通してではなく、自分の目で見たことで、被災地への支援の意識がより一層高まった。一日も早い復旧復興を目指して、がんばろう能登、がんばろう北陸!

代表取締役 森 雄一

2024年2月号(第178号)


 先日、久しぶりに家電量販店へ行ったのだが、あまりの品揃えの多さに驚かされた。特にパソコン関連の周辺機器は多岐にわたり、何に使うのかさえ分からないものだらけで、改めて時代について行けない自分が情けなくなった。家電における三種の神器の歴史を振り返ると、昭和時代は「テレビ、洗濯機、冷蔵庫」といういわゆる白物家電であり、日本の高度成長と共に一気に家庭に普及した。平成時代になると「携帯電話(スマホ)、薄型テレビ、ロボット掃除機」へと変化する。平成初期はポケベルが主流で、携帯電話は平成5年〜10年に急激に普及、テレビは平成23年にアナログ放送が終了したことから一気に薄型化した。ロボット掃除機の普及は、女性の社会進出も大きく関係しているのではないだろうか。そして令和時代は「テレビ(4K/8K)、冷蔵庫、ロボット掃除機」だそうで、テレビやロボット掃除機は更に高性能に、冷蔵庫はAI機能を搭載するなど、私たちの暮らしがより便利で快適になっていることが分かる。
 私も若い頃はどちらかといえばこの分野が好きで順応していたと思うが、最近はもうお手上げ状態で、老眼のせいか説明書を読むことさえ億劫になってきた。これではいけないと思いつつも、体が言うことを聞かない。これが老いるということなのだろうか。ちょっと待て、「病は気から」とも言うのだから、気持ちだけは若々しく、何事にも挑戦していこうと自分を奮い立たせている。

代表取締役 森 雄一

2024年1月号(第177号)


 穏やかな新年を迎えることができ、大変嬉しく思います。今年のスローガンを「成長し続ける強い企業への脱皮」としました。私が社長に就任した19年前、建設業界全体が「建設冬の時代」と言われるほど非常に厳しい時代でした。当社も例外ではなく、完成工事高は10億円から一気に6億円にまで落ち込み、赤字へと転落しました。「このままでは会社が立ち行かなくなる」と強い危機感を持ち、経営計画を立てPDCAサイクルによる経営を行い、何とか苦境を乗り越えてきましたが、まだまだ目標達成という部分において甘さが見られ、検証から改善へと繋げられていない現状があります。この停滞した現状を打破すべく取り組むのが人材評価制度の導入であり、社員と会社の明るい未来に向けてもう一段ギアを上げて取り組んでいきます。
 今年の干支である「甲辰(きのえたつ)」には、「成功という芽が成長していき、姿を整えていく」という意味があるそうで、まさにスローガンに合致するものです。これまでの様々な取り組みによる変化、それを経た現在の停滞期から、一皮剥けた「成長し続ける強い企業への脱皮」へ向けて、全社一丸となって邁進していきましょう。

代表取締役 森 雄一

2023年12月号(第176号)


 先日、となみ野アスコン(株)のアスファルトプラントを建設していただいた田中鉄工(株)さんの九州工場見学のため佐賀県を訪れた。となみ野アスコンはアスファルト合材出荷量が減少する中、経営の合理化を目的として、3プラントを集約して9社が出資する会社であり、私も出資構成員として役員になっている。
 工場でひと通りの説明を聞いた中で印象に残ったのが、近年ではフォームドアスファルトという合材の開発・実験に力を入れているということ。フォームドアスファルトとは、制御装置内で加熱アスファルトに微量の水または水蒸気を添加することによって発生させた泡状のアスファルトで、耐久性に優れワーカビリティが良好な上に経済的とのことで、これを使用することによって舗設時の合材敷均し温度を20〜30度低くできるのだそうだ。特に夏場の厳しい暑さの中、150度近いアスファルト合材を扱うのは過酷なもので、これが現場で使えるようになれば熱中症リスクの低減、新技術採用による評価点数のアップに間違いなく繋がるだろう。
 そしてもう一つ驚いたのが、SDGsや環境負荷低減に対する熱心な取り組みであり、田中鉄工さんでは廃食用油をリサイクルしてエネルギー活用しているのだ。食用油は植物性のため植物が育つ段階で二酸化炭素を吸収することからCO2排出量を大幅に抑制でき、カーボンニュートラルに大きく貢献するのだ。
 以前にも書いたが、地球温暖化対策は待った無しの問題であり、我が社においても他人事では済まされない。電気自動車やハイブリッド重機の導入、低燃費運転のための急アクセル抑制やアイドリングストップ等々、出来ることはたくさんある。社員が意識を変えて組織ぐるみで取り組んでいく会社こそが、世の中に貢献し必要とされるのだろう。

代表取締役 森 雄一

2023年11月号(第175号)


 コロナ禍により開催が見送られていた「つどいの会」が、4年ぶりに開催される。新入社員はもちろんのこと、今回初参加となる社員も数名いることから、改めて目的や意義について説明しておこうと思います。
 森組の協力会である「森和会(しんわかい)」は、森組の発展、伸長に協力すると共に会員各自の職域を通じて総合的な力を発揮し、建設業の重要性に鑑み絶えず研究工夫を加え技術向上に努めると共に、会員相互の親睦協和を図り会社との円滑なる取引を目的として、昭和56年9月に会員社数27社(現在46社)により設立されました。そして「つどいの会」は森和会が主催するもので、森組の社員と協力会各社との親睦を深めることを目的として平成2年から続いています。
 私たちの仕事は、我が社単独で完結するものではありません。工事に協力してくださる施工会社、資材や材料を提供してくださる方々など多くの人たちの協力のおかげで成り立っていることを忘れてはいけません。「だれかの笑顔のために」は、協力会各社の笑顔にも繋がっているのです。どうかこの機会に多くの会員の皆様と積極的にコミュニケーションを図り、日頃の感謝をお伝えする場になることを願っています。

代表取締役 森 雄一

2023年10月号(第174号)


 ラグビーW杯フランス大会の熱戦が続いている。前回の日本大会では日本代表がベスト8入りして大いに盛り上がったが、私も4年に一度のにわかファンとして日本代表を応援している。この原稿を書いている時点では日本代表は2勝1敗で、10/8のアルゼンチン戦に勝利すれば2大会連続の決勝トーナメント進出となるが、果たして結果はいかに。
 今大会の日本代表も素晴らしい選手が揃い期待されるところだが、プロップの稲垣啓太選手は大会前に、「スクラムは1人では組めない。僕が一番大事にしていることは、8人が何をすれば同じ方向に進めるかということ。誰かだけが頑張ってもスクラムを崩してしまう要素にしかならない。全員が役割を理解して同じ方向に進んだときに一番強いスクラムが生まれる」と語っている。磨いてきたスクラムで決勝トーナメント進出を果たしてほしい。
 今年も残り3ヶ月を切り、ラストスパートに入りました。全員が役割を理解し、同じ方向に強い力で進んでいけるよう、ミーティングとコミュニケーションをしっかり取っていきましょう。

代表取締役 森 雄一

2023年9月号(第173号)


 例年に無い酷暑も、9月に入ると日差しもずいぶん和らいできた。この暑さで今年は稲の生育が早く、県がコシヒカリについて早めの収穫を呼びかける緊急特報を出したとのことで、盆明けから方々で稲刈りが始まっている。刈り遅れると米粒にひびが入る「胴割れ米」や高温により粒が白く濁る「白未熟粒」が発生する恐れがあるそうで、コメの品質を確保するために生産者は何かと気をもんでいることだろう。そうした努力のおかげで私たちは美味しいお米を食べることができるのだから、とてもありがたいことだ。
 私たちが施工しているほ場整備や土地総などの農地整備事業は、コメをはじめとする農作物の自給に欠かせないもので、我が国の農業の振興の一翼を担っていることに誇りに感じる。現在では地元負担が実質ゼロで事業ができることから、南砺市においては実施中の農地整備事業が11地区あり、今後採択されるであろう要望地区は19地区にのぼるそうで、今後10年以上は続いていくものと思われる。なんとも嬉しい悲鳴であるが、しっかりと進めていけるよう施工体制を整えていかねばならない。

代表取締役 森 雄一

2023年8月号(第172号)


 例年に増して、今年は連日厳しい暑さが続いている。この原稿を書いている時点でも16日連続の猛暑日となり、まだしばらく続くというのだから堪らない。このような中、現場の皆さんには日々熱中症対策を徹底して仕事に取り組んでいただいておりますこと、本当にありがとうございます。今年は残暑も厳しいとの予報ですので、引き続き警戒すると共に、お盆休みはゆっくりと休養していただくようお願いします。
 私がまだ学生だった30年程前までは、せいぜい31,32℃程度、暑くても33℃程度だったように記憶しているが、近年では35℃を超える猛暑日はあたりまえで38℃を超える日もあるなど災害級の暑さで、世界中で地球温暖化が深刻な問題となっている。脱炭素化を目指すための国際的枠組みであるパリ協定や、日本においては2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするカーボンニュートラルなど、人類の発展の反面で脅かされている環境問題への対応は待った無しである。住み良い地球を後世へと残していくため何をすべきか、私たち自身も考えなければならない。

代表取締役 森 雄一

2023年7月号(第171号)


 私が青年会議所(JC)現役の2004年から携わってきた「となみ野サマーチャレンジ(旧となみ野100km徒歩の旅)」。この事業は子ども達の生きる力の醸成を目的に、小学生を対象として夏休みに4泊5日で130km程を歩くという青少年育成事業であるが、コロナ禍においては事業中止を余儀なくされ、今年は5類に移行したこともあり、4年ぶり17回目の開催に向けて春から準備を進めていた。今年から富山市もエリアに入れ、富山市教育委員会や小学校長会にも協力を依頼し、各学校へのチラシ配布や施設使用について何度も足を運び打合せを重ね、何とか事業再開に向けての準備を整えるところまで漕ぎ着けることができた。
 そして先月迎えた参加者受付の日、期待と不安が入り混じる中、電話受付の開始時間から鳴り止まない電話。最小開催人数の60名に向けて良いスタートが切れたと思ったのも束の間、その勢いは10分足らずで衰え、最終的に19名の応募に留まり、苦渋の決断ではあったが今年の事業中止を決めた。2004年スタート当時は応募者多数で抽選にまでなった事業であるが、少子化や子どもを取り巻く環境、コロナ禍の影響など様々な要素が絡み合っての結果に、私たちの役割も終わりを迎えたのかという一抹の寂しさもあり、一足早い夏の終わりとなった。
 時代は常に変化しており、過去のニーズが今も同じとは限らない。ビジネスにおいても同様で、世の中の動きを敏感に捉え、それに合わせて変えていかねばならないと痛感した次第である。

代表取締役 森 雄一

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