• 代表取締役社長 森 雄一

2025年12月号(第200号)


 社員会議の最後に持ち回りの議長が行う「議長講評」。私の毎月の密かな楽しみであり、議長になった人は何を話すかとあれこれ考えて臨んでいることだろう。
 この講評は青年会議所で行われていた、会議の最後に監事がその会議を総括して所感を述べる監事講評を真似たもので、監事講評の際には出席者全員が開いているパソコンを閉じ、身なりと姿勢を正して聴くという厳粛なものである。
 あらためて講評とは何かを調べると、「講評とは、指導的な立場にある人が、作品や演技などについて、良い点と改善すべき点を言葉で説明しながら批評すること。評価だけでなく、その理由やアドバイスまで含めて、指導・解説する行為を指す。」とある。なるほど、講評を聴くということは、評価とご指導をいただくということなのか。 そうであれば身なりと姿勢を正すのはもっともであると今更ながら納得する。
 我が社の議長講評は、これらの趣旨とはかけ離れてきているが、私はそれでも良いと思っている。それぞれが考え、自分の言葉で伝えることが重要であるし、意外な発見もあり面白い。ぜひ今後もそれぞれの個性を発揮しつつ、最後は啓発に繋げて会議をビシッと締めくくってほしい。

代表取締役 森 雄一

2025年11月号(第199号)


 「金沢マラソン2025」私の人生最大の挑戦は、願いも虚しく雨に見舞われた。「こんなことなら宣言するんじゃなかった」と後悔する自分もいたが、「人生を変えるなら、このぐらいの試練を乗り越えてみろ」という神様のお告げに違いないと思うと、不思議と心が前向きになってくる。この日のためにランニングメニューを増やし、加えて1週間アルコールを断ったおかげで体調は万全、さらにゴールの瞬間を何度もイメージすることでメンタルも最高潮。そう、全てがうまくいくはずだった。
 ごった返すランナーに注意しながら、緩やかな走り出し。少しずつ隊列がほぐれ、徐々に自分のペースを掴みながら走ると、みるみるランナーを追い越していく。8km過ぎまでは快調で、走ることが楽しいと思えたのは生まれて初めてのことだ。ところが事態はここから急変する。10km過ぎから脚が痛くなり走る歩くの繰り返し、15km過ぎには早歩きだけになり、18kmの関門では収容(タイムリミット)まで残り10分となり、さすがに完走(完歩?)は難しいことを悟る。それでも自分から足を止めて諦めることだけはすまいと必死で歩を進めるが、足が前に出ないとはこのことかと思うほどの痛みが22km過ぎから続き、29km地点の関門であえなくバスに収容されたのでした。
 こうして私の挑戦は幕を閉じた。人生を変える意気込みで臨んだがそれは叶わず、悔しさ、不甲斐なさ、劣等感、絶望感、挫折感に打ちのめされた。かつて次の大会への意気込みを聞かれ、「ハーフハーフ(50/50)」と答えた選手がいたが、とてもそんな気持ちにはなれない自分がいる。黒歴史を引きずって生きるのも、人生の教訓になるだろう。

代表取締役 森 雄一

2025年10月号(第198号)


 人には誰しも苦手なことや避けて通りたいことがあると思うが、私にとっての最大のそれは「走ること」だ。もともと運動はあまり得意なほうではなく、その中でも走ることは最も苦手としてきた。中学の部活でのグラウンド10周はいつも周回遅れだったし、学校のマラソン大会などは地獄でしかなかったものだ。今でこそ休日にはジムへ行き、筋トレ・スタジオプログラム・AMT・水泳などで体を動かすが、そこでも走ることを徹底的に避けている自分がいる。
 そんな私だが、密かに計画していることがある。それは人生初となる、フルマラソン(金沢マラソン)への挑戦だ。4月のエントリーに始まり、6月に抽選結果が出た後も、「人生初にして最後のフルマラソンだろうから、雨が降ったらキャンセルしよう」と、誰にも言わずどこかで逃げ道を残していた自分がいたが、先日からシューズや必要グッズ、雨天時のポンチョまで購入し、少しずつ自分を追い込んでいき、ついに今日、皆さんに宣言することとなりました。これでもう逃げられませんね笑。
 なぜ私が徹底して拒んでいた走ることに、しかもフルマラソンに挑もうと思ったのか。それは、自分の人生を変えたいと思ったからである。会社が大きく変わろうとしている今、そしてスマイルプロジェクト、森の家・不動産事業を必ず成功へと導くため、経営者である私が率先して苦難に挑戦することで人生を切り拓くという決意表明と言ってもいい。見た目は変わらないかもしれないが、自分の中の何かが変わるはずだ。自分との戦いの号砲は、10月26日に鳴らされる。

代表取締役 森 雄一

2025年9月号(第197号)


 新規事業として取り組んでいる不動産事業(屋号:森の不動産)が好調なスタートを切っている。この事業は住宅建築で苦戦している当社が、それより川上の土地探しから始めるお客様に出会い信頼関係をつくることで、最低でも仲介手数料、さらには新築やリフォーム受注に繋げるというスキームである。
 では、不動産業務のノウハウを持たない当社がどうやって実務を行うのか。その問題をクリアしてくれるのが「物件王」というボランタリーチェーン本部である。当面の実務は全て私が担当するため、1月と4月に本部のある姫路市での実地研修をはじめ、オンライン研修や個別指導によるレクチャー、不明点や質問への迅速な対応など、それこそ親切丁寧できめ細かい万全の体制でフォローしていただいている。
 そのおかげで7月30日のサイトオープンから一ヶ月あまりで会員登録29件、来店8組(9月7日現在)という予想を上回る反響をいただいている。来店は土日が多いためなかなか休みが取れないが、それも嬉しい悲鳴である。今はまだ買主の仲介だけだが、今後は売主の仲介、買取再販、新築建売へとステップアップしていけば、事業としての面白みが益々出てくるのだ。
 森の家事業と併せて、我が社の大きな柱となるであろう事業のスタートに、チャレンジ意欲とワクワクが止まらない。

代表取締役 森 雄一

2025年8月号(第196号)


 先日の社員会議において、新しい住宅商品である「シンプルノート」の社内説明会を行った。この商品は昨年フランチャイズ契約を結び、今年から森の家の主力商品として推しているものだ。日本随一のデザイン設計事務所である「Less is design」が設計し、シンプルノートの3つの特徴である

① デザイン:不必要な要素を削ぎ落とし、洗練させることによって生み出された「デザイン」
② コスト:設計手法を上手く取り入れ、無駄を省くことによって「コスト」を抑えた家計に優しい家づくり。
③ 暮らし:日々の奥様の家事や子育ての負担を削減するために、考えつくされた間取りによって生まれる「暮らし易さ」

を、文字通りシンプルに、無駄を極力なくすことで住みやすく、美しい家づくりを実現するものです。
 森の家・森の不動産を軸とした民間受注は、これまでの公共工事依存から脱却し、もう一つの柱となる重要な事業であり、我が社の成長はここにかかっていると言っても過言ではありません。まずは社員の皆さんがシンプルノートファンになっていただき、傍観者ではなく当事者として周囲の方々に広めていただくよう、ご協力と応援をお願いします。

代表取締役 森 雄一

2025年7月号(第195号)


 富山県建設業協会の土地改良委員長をしている関係で、全国農村整備建設業協会の総会のため山形県を訪れた。運悪く山形新幹線が車両トラブルで運休しており、東北新幹線に乗り継いでの行程だったが、改めて考えると新潟から日本海側を通って青森へ抜ける新幹線があれば、さぞ便利で景色も良いことだろうと思う。能登半島地震で実感したが、インフラ交通網の整備はまだまだ行き渡っておらず、私たちの担う役割も大きいものがある。
 電車で遠出する楽しみの一つが駅弁だ。大宮駅での乗り換えで駅弁を物色、あれこれ迷った挙句に手に取ったのが、崎陽軒のシウマイ弁当。横浜名物シウマイの妹分として、1954(昭和29)年に発売以来、多くの方に親しまれ続けているとのこと。人生初のシウマイ弁当に心躍らせ、いざ開封。中身は俵型ごはん(小梅、黒ごま)、昔ながらのシウマイ 5個、鮪の漬け焼き、蒲鉾、鶏の唐揚げ、玉子焼き、筍煮、あんず、切り昆布&千切り生姜で1070円也。まずはシウマイをパクリ。美味い、うますぎる。なぜ冷めてもこんなに美味いのか。鮪の漬け焼きもこれまた最高!どうすればこんな美味しい漬けになるのだろうか。その後もおかずと俵型ごはんのバランスに細心の注意を払いつつ大満足で完食、しばし放心。
 たかが弁当、されど弁当、駅弁一つにこれほどまで感動するとは思いもしなかった。そこで崎陽軒の経営理念を調べてみると、「崎陽軒は皆さまのお腹だけを満たしません。食をとおして「心」も満たすことをめざします。」とあり、まさに私が感じたことが理念に謳われていた。我が社の経営理念も是非そうありたいものだ。

代表取締役 森 雄一

2025年6月号(第194号)


 大相撲夏場所において、大関・大の里が2場所連続で優勝し、第75代横綱に昇進した。初土俵から所要13場所での昇進は輪島の21場所を抜き、年6場所制となった1958年以降初土俵の力士で最速となった。また、日本出身横綱の誕生は師匠である元横綱・稀勢の里以来8年ぶりで、まだ24歳と若いことからも、令和の大横綱へと昇り詰めてほしいものだ。
 大の里は学生時代、2年連続でアマチュア横綱に輝くなど数々の実績を残し、大相撲の世界に入っても記録的なスピード出世を続けてきたが、これを支えてきたのが師匠から徹底的に指導された「基礎基本」とのこと。「入門してからしっかり体づくりをして地道にやり続けてきて、その稽古が少しずつ身になってきた。つまらないような稽古を部屋でいちばんやっているのが大の里。稽古はうそはつかない、というのがはっきり出た」と師匠は言う。
 基礎基本の重要性は相撲に限ったことではなく、仕事などあらゆる面に共通するものであると私は思う。それを疎かにすれば基礎は揺らぎ、その上に何を積み重ねても脆く崩れてしまうものだ。我が社の基礎基本といえば、人事理念である「向上心を持ち挑戦し続け、成し遂げられる人財」である。これを社員ひとり一人が実践していくことこそ、唯一無二の人財・企業になるために必要なことではないだろうか。

代表取締役 森 雄一

2025年5月号(第193号)


 大阪・関西万博がいよいよ開幕しました。「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、世界中から最新の技術やアイデアが集まるこの万博は、未来への挑戦と希望に満ちた場です。過去の万博がそうであったように、新たな時代の幕開けを感じさせてくれます。
 技術の進歩。それは、私たち建設業にも強く求められているテーマです。現場の効率化、環境への配慮、そして何より安全の追求——私たちが社会に貢献し続けるには、立ち止まることなく前に進み続けなければなりません。
 会社の成長や技術の進化は、仕組みや設備だけでは実現できません。鍵を握るのは、間違いなく“人”です。一人ひとりの学び、工夫、挑戦。その積み重ねがチームの力となり、会社を動かし、社会を創るのです。
 万博が未来を見せてくれる今こそ、私たちも次の一歩を踏み出す時です。変化を恐れず、挑戦を楽しみながら、自分自身の可能性を広げていきましょう。皆さんの前向きな力が、会社の未来を切り拓いていくのです。

代表取締役 森 雄一

2025年4月号(第192号)


 皆さんは「自分を演じる」と聞くと、どのような印象を持つでしょうか。もしかすると、「本当の自分を隠している」「偽っている」といった否定的なイメージを持つ方もいるかもしれません。しかし私は「演じる」ことを、むしろ自分を成長させるための手段と捉えています。
 私たちは日々、さまざまな役割を担っています。仕事では責任ある社会人としての自分、家庭では家族の一員としての自分、友人の前では気心の知れた自分など、場面に応じて異なる側面を見せています。これは決して「偽る」ことではなく、むしろ「適応する力」と言えるでしょう。
 例えば、人前で話すことが苦手な人が、「堂々とした自分」を演じることで、自信を持てるようになることがあります。最初は演技だったとしても、繰り返すうちに、それがやがて本当の自分になっていくのです。私も人前で話すことは大嫌いで、いまだに緊張で心臓がバクバクして体も声も震えますが、もしそう見えないとすれば私の演技力なのかもしれませんね。
 演じることで、自分の可能性を広げ、新たな自分に出会うことができます。だからこそ、「自分を演じる」ことを前向きに捉え、自分を磨く機会として活かしていきましょう。そうすれば、私たちは今より一歩成長した自分へと近づくことができるはずです。

代表取締役 森 雄一

2025年3月号(第191号)


毎年この時期になると春闘のニュースをよく耳にしますが、経営者の立場からすると頭を悩ませる時期でもあります。企業が成長を続け、持続可能な発展を遂げるためには、社員一人ひとりの努力と貢献が不可欠です。その努力に報いる形で賃上げが実施されることは、組織の活力を高め、さらなる成長へと繋がります。賃上げは単なるコスト増ではなく、企業の競争力向上の契機でもあります。そのためには、私たち一人ひとりが生産性向上を意識し、業務の効率化や付加価値の創出に取り組むことが重要です。例えば、業務プロセスの見直しやICT・DX技術の活用、チームワークの強化によって、より高い成果を生み出すことができます。
ここでのポイントは、「一人ひとりが」という点です。単に指示されたことを行うだけではなく、自らが考えて実践することが生産性向上には欠かせません。現在進めているスマイルプロジェクトは、社員一人ひとりが輝くためのプロジェクトであり、それにより会社が成長するというものです。「より良い仕事が、より良い待遇を生む」という意識を共有し、組織全体で成長のサイクルを回していきましょう。皆さんの創意工夫と前向きな姿勢が、会社の未来を切り拓きます。共に、働きがいのある職場をつくり、持続的な成長を実現していきましょう。

代表取締役 森 雄一

  • 代表取締役社長 森 雄一

  • 最近の投稿

  • 月刊アーカイブ