• 代表取締役社長 森 雄一

2024年12月号(第188号)


 あまりにも衝撃的な試算を、皆さんはどのように受け止めただろうか。富山県が先月公表した、2060年までの県と県内全15市町村の人口推移の試算結果だ。試算によれば、2020年時点と比較すると、60年人口はいずれの市町村も減少し、南砺市は57.3%減、県全体では現在より35.3%減の62〜66万人台になるとの見通しである。
 人口減少が社会にもたらす影響は、労働力不足や生産性の低下、税収減少などの経済への影響、高齢化による若者への負担増や社会保障費の増大、過疎化が進みインフラの維持が困難になることで地方社会が衰退するなど様々あるが、会社に置き換えて考えてみると分かりやすい。
 人口が激減すれば当然税収減になり、公共事業費も大幅カット。その時、公共工事だけに頼っていたらどうなるか。労働力不足は今よりさらに深刻な状況に。そのため外国人材を含む人材が集う魅力ある会社になる必要があるし、ICTを活用した生産性向上・省力化は不可欠である。考えれば考えるほど背筋の凍る思いがするが、その時になって慌てて策を講じても手遅れで、現在の会社の取り組みはそれを見越してのものだ。皆さん自身も、人口減少によって自分や家族の生活がどうなるのか、真剣に考えてほしい。きっと意識や行動が変わるはずだ。

代表取締役 森 雄一

2024年11月号(第187号)


 MLBワールドシリーズは、ドジャースがヤンキースを4勝1敗で破り、4年ぶり8度目の制覇を果たした。大谷翔平選手にとって高校生の時からの夢であったワールドシリーズ制覇を、メジャー7年目にして達成したことに「あっぱれ!」と言いたい。世界一を目指すため、昨シーズン終了後にプロスポーツ史上最高額の契約でドジャースへ移籍。そんなプレッシャーを物ともせず、史上初の50-50を達成し、「夢とはただ見るものではなく叶えるもの」だということを証明してくれた。そこにはあくなき向上心と行動力、絶対にやり遂げるという強烈なまでの信念があることは言うまでもないだろう。
 大谷選手には遠く及ばないが、私にも会社を成長させたい、社員を幸せにしたい、関わる人たちを笑顔にしたいという夢がある。その夢を夢で終わらせることなく必ず実現するため、さらに攻めの姿勢で取り組む覚悟である。

代表取締役 森 雄一

2024年10月号(第186号)


 このたび能登半島で発生した豪雨災害によりお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りすると共に、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。元日の能登半島地震に続く惨状に心を痛めるばかりであり、一日も早い復旧復興をお祈りします。

 10月に入り、急激に秋らしさが増してきた。ここから一気に冬へ向かうのかと思うと、憎らしいほど暑かった夏さえも恋しく思えてくるのだから不思議なものだ。スポーツ界では、MLBドジャースの大谷翔平選手が54-59というとてつもない記録を残し、世界中を驚かせた。もはや彼に不可能など無いのではないかと思うほど、私たちの想像を超越する活躍である。大相撲では大の里関が2度目の優勝を果たし、初土俵から所要9場所で大関に昇進した。その強さはまさに「相撲界の大谷翔平」と言われるほど規格外で、師匠である稀勢の里以来の日本人横綱誕生が待ち遠しい。
 政界においては、石破茂氏が自民党総裁選に勝利し、第102代総理大臣に選出され、月末には解散総選挙が行われる。この秋は衆議院選、知事選、南砺市長・市議選と選挙が目白押しで、公共事業を主とする我が社としても社員としても、しっかりと関わっていく必要がある。政治力無くして国や地域は良くならない。その政治力を高めるには、有権者の声が最も大切だ。有権者として、権利を放棄することなく行使してほしい。

代表取締役 森 雄一

2024年9月号(第185号)


 8月14日に岸田首相が退陣表明をして以降、永田町は一気に政局に突入することとなった。9月12日告示・27日投開票の自民党総裁選では10人を超える議員が立候補に意欲を見せているという。自民党総裁は事実上の次期首相となるため、選挙目当ての党利党略ではなく、この国の舵取りを誰に任せるのが適任なのか、それぞれの国家観や政策に注目したい。
 その後、速やかに行われるであろう解散総選挙では、自民党は派閥裏金事件による国民の審判を仰ぐわけだが、自民党が下野することはあってはならない。だからこそ古い体質を改め、反省すべきは反省し、国民から信頼される政治を取り戻すことが最も大切なのだ。
 物価高騰・円安に対する経済対策、ウクライナやイスラエル問題をはじめとする安全保障政策、能登半島地震などの災害対応、人口減少や地域間格差の解消など、我が国の課題はまだまだ山積している。この難局にしっかりと立ち向かえる新しいリーダーを期待するものです。

代表取締役 森 雄一

2024年8月号(第184号)


 長かった梅雨がようやく明け、一気に酷暑がやってきた。現場の皆さんには、暑い中本当にありがとうございます。引き続き熱中症には充分警戒をお願いします。その暑さに勝るとも劣らず、連日熱い戦いを繰り広げているパリ五輪。東京大会は無観客での開催だっただけに、大声援のなか戦える選手の皆さんは、どんなにか幸せなことだろう。
 前半戦の競技で印象に残っているシーンをいくつか挙げると、柔道女子48キロ級の角田夏実選手はこだわり続けた巴投げで見事に金メダル第1号に輝いた。2大会連続で兄妹金メダルを目指した阿部詩選手は、まさかの2回戦敗退で人目もはばからず号泣。次いで兄の阿部一二三選手は妹のぶんまで奮起し、貫禄の金メダル。体操男子団体ではエース橋本大輝選手がケガによる不調の中、チーム全員が絶対に諦めない強い気持ちで、奇跡の逆転金メダル。他にもたくさんの感動的なシーンが思い浮かぶ。
 今大会でのデータ専門会社による日本の金メダル予測は13個。この原稿を書いている時点で既に9個を獲得しており、最終的にどこまで伸ばせるのか楽しみだ。データ会社の予測は、おそらくAIを活用してのものだろうが、データでは測りきれない力を発揮するのが人間というものだ。感動と興奮の戦いに、最後まで目が離せない。がんばれ日本!

代表取締役 森 雄一

2024年7月号(第183号)


 2024年7月3日、新紙幣として一万円・五千円・千円札の3券種が改刷された。紙幣の改刷は偽装防止の観点から概ね20年毎に行われており、150年以上にわたり培われた日本の偽装防止技術の結晶がどのようなものか興味深い。
 さて、それぞれの紙幣に描かれる図柄ついて触れてみよう。一万円札の表面には、生涯に約500もの企業の設立などに関わったといわれ、実業界で活躍した渋沢栄一(しぶさわ・えいいち)。裏面には、「赤レンガ駅舎」として親しまれた歴史的建造物(重要文化財)の東京駅(丸の内駅舎)が描かれている。つぎに五千円札の表面には、女子英学塾(現:津田塾大学)を創設するなど、近代的な女子高等教育に尽力した津田梅子(つだ・うめこ)。裏面には、古事記や万葉集にも登場し、古くから親しまれている花「フジ(藤)」が描かれている。そして千円札の表面には、破傷風血清療法の確立、ペスト菌の発見のほか、伝染病研究所、北里研究所を創立し後進の育成にも尽力した北里柴三郎(きたさと・しばさぶろう)。裏面には、江戸時代の浮世絵師・葛飾北斎の代表作で知名度も高く、世界の芸術家に影響を与えた「富嶽三十六景(神奈川沖浪裏)」を描いている。
 キャッシュレス決済が増え、紙幣を手にする機会も少なくなってきたが、未来の紙幣に描かれるのはどんな偉人だろうか。松下幸之助、稲盛和夫、孫正義、もしかしたら大谷翔平かもしれない。

代表取締役 森 雄一

2024年6月号(第182号)


 2月の七尾市、4月の輪島市に続き、能登半島地震の3度目のボランティアとして珠洲市を訪れた。珠洲市は能登半島の先端に位置するまさに奥能登であり、私自身、初めての訪問である。6:30に金沢駅を出発して大型バスにて現地へ向かう。のと里山海道は車両通行が可能になったと聞いていたが、なぜか徳田大津ICで途中下車して一般道を進む。聞くと、車両通行は可能なものの、まだ段差などが多く、とても大型バスが安全に通行できる状況では無いとのこと。なるほど進むにつれて道路は凹凸や段差、亀裂が目立つ。珠洲市は田舎のため、住宅や店舗が密集した輪島市の朝市の空襲後のような強烈なインパクトは無いが、建物や道路の被害はかなりの深刻さで、震災後5ヶ月を経過した今でも断水が続いている。
 9:45ボラセンに到着し、班分けと役割分担を行う。軽トラの運転ができるという人が40人中で私を含め7人、2tトラックがたったの2人で、私は2tトラックを運転することになったのだが、私たちにとって当たり前の車両の運転が、一般人には容易で無いということを目の当たりにして驚いた。また、今回痛感したのが安全講習でも行った「機械縛り」の重要性だ。私は現場から離れているため必要無いと覚えようともしなかったが、しっかり覚えておく必要がある。こんな私でさえ有り難がられるのだから、本職である工務部の皆さんの力は、被災地にとっては救世主となるだろう。どうか皆さんの力を、被災地の方々の笑顔のために発揮してほしい。

代表取締役 森 雄一

2024年5月号(第181号)


 先月、新規実習生の面接のため、ハノイを訪れた。コロナ禍ではリモート面接だったため、約5年ぶり4回目の訪問である。今回は2名を募集したのだが、応募者がとても少なく、直前まで面接見送りになるかもしれないという状況。その原因として円安の為替影響による日本離れや、建設業の人気の無さがあるのだが、そのような中でもベトナム送り出し機関の当社に対する評価と信頼関係によって、何とか4名の応募者を集めていただいたことに感謝するばかりである。悩みに悩んだ末、2名の採用を決定、どちらもまだ18歳と若いが、仕事はもちろん日本語習得への意欲も高く、来日がとても楽しみだ。
 1人の実家がハノイから2時間弱で行けるというので、翌日、家庭訪問することになった。ただ訪問してご挨拶だけするよりも、きっとご家族は、息子がどんな所へ行くのか心配だろうから、その不安を少しでも和らげることができればと考えたのが、写真スライドの作成だった。富山県が日本のどこにあるのか、富山の素敵な観光名所や美味しい食べ物、散居村の風景、会社社屋や仕事風景など、即席にしては良くできたもので、わざわざ仕事を休んで出迎えてくれたお母様にとても喜んでいただけた。
 久しぶりのハノイでの面接を通して、やはり対面とリモートでは得られる情報量と、彼らに対する思い入れが全然違うことを実感した。また、ご家族とお会いして築いた信頼感は、本人たちへの支援にも繋がるだろう。実習生に限らず、入社する社員は皆、入社までの物語がある。入社後、その物語の続きがどうなるのか。ハッピーエンドは本人だけでなく、皆で描いていくものである。

代表取締役 森 雄一

2024年4月号(第180号)


 2月の気温を考えると、今年の開花は相当早くなるのではないかと思われたが、3月の寒の戻りによって、富山市の開花は4月2日、観測史上最も早かった昨年より11日遅い開花となった。この社内報が発刊される頃は、満開の桜が私たちを楽しませてくれているだろう。我が社では4月1日に2名の女性社員が入社し、まさに春爛漫といったところだろうか。建設技術者としてはまだ未熟な蕾であるが、彼女たちの向上心と先輩たちの温かい指導によって、技術者として満開の花を咲かせることを期待している。
 厳しい冬を乗り越えて草花が一気に芽吹き、心踊る季節のはずなのだが、ついに私も花粉症になったようだ。実は昨シーズンからその兆候が現れていたのだが、病は気から、自分は花粉症になるはずがないと突っぱねてみたものの、先月から鼻水、くしゃみ、目のかゆみにたまらず病院へ。抵抗の術なく、あえなく花粉症の烙印を押されてしまったのである。恐るべしスギ花粉・・・。はたして花粉症との戦いは、この先ずっと続くのであろうか。そう思うと、春といえども心が晴れないのである。

代表取締役 森 雄一

2024年3月号(第179号)


 先月末の日曜に、能登半島地震の被災地である七尾市でのボランティア活動に参加した。義援金などの支援もそうだが、自分にできることがあるなら直接協力したいとの思いから、個人的に石川県災害対策ボランティアに登録して参加することとなった。
 当日は早朝に石川県地場産センターに集合し、大型バスで被災地へ向かい、ボランティアセンターでのオリエンテーション後、班ごとに分かれて活動を行った。私の班は3軒の民家において、破損した家具や冷蔵庫の搬出、倒壊したブロック塀の撤去、そして廃棄物の仮集積所での分別作業を行った。七尾市では倒壊した家屋は見られなかったのだが、それでも物凄い量の廃棄物が集積されており、珠洲市や輪島市ではこんな比ではないだろうと想像できた。ボラセンで聞いたところ、その時点では被災者から2500件ほどのボランティア依頼があるが、まだ500件ほどしか対応できておらず、まだまだマンパワーが足りていないことを実感した。奥能登という地理的条件がゆえの導線の不足、被災地までのバスと運転手の不足、宿泊地が無いために現地での活動時間が限られること、様々なマイナス要素が絡み合い、復興までには相当な年月が必要だろうと感じた。
 今回、被災地をテレビや新聞を通してではなく、自分の目で見たことで、被災地への支援の意識がより一層高まった。一日も早い復旧復興を目指して、がんばろう能登、がんばろう北陸!

代表取締役 森 雄一

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