• 代表取締役社長 森 雄一

2023年9月号(第173号)


 例年に無い酷暑も、9月に入ると日差しもずいぶん和らいできた。この暑さで今年は稲の生育が早く、県がコシヒカリについて早めの収穫を呼びかける緊急特報を出したとのことで、盆明けから方々で稲刈りが始まっている。刈り遅れると米粒にひびが入る「胴割れ米」や高温により粒が白く濁る「白未熟粒」が発生する恐れがあるそうで、コメの品質を確保するために生産者は何かと気をもんでいることだろう。そうした努力のおかげで私たちは美味しいお米を食べることができるのだから、とてもありがたいことだ。
 私たちが施工しているほ場整備や土地総などの農地整備事業は、コメをはじめとする農作物の自給に欠かせないもので、我が国の農業の振興の一翼を担っていることに誇りに感じる。現在では地元負担が実質ゼロで事業ができることから、南砺市においては実施中の農地整備事業が11地区あり、今後採択されるであろう要望地区は19地区にのぼるそうで、今後10年以上は続いていくものと思われる。なんとも嬉しい悲鳴であるが、しっかりと進めていけるよう施工体制を整えていかねばならない。

代表取締役 森 雄一

2023年8月号(第172号)


 例年に増して、今年は連日厳しい暑さが続いている。この原稿を書いている時点でも16日連続の猛暑日となり、まだしばらく続くというのだから堪らない。このような中、現場の皆さんには日々熱中症対策を徹底して仕事に取り組んでいただいておりますこと、本当にありがとうございます。今年は残暑も厳しいとの予報ですので、引き続き警戒すると共に、お盆休みはゆっくりと休養していただくようお願いします。
 私がまだ学生だった30年程前までは、せいぜい31,32℃程度、暑くても33℃程度だったように記憶しているが、近年では35℃を超える猛暑日はあたりまえで38℃を超える日もあるなど災害級の暑さで、世界中で地球温暖化が深刻な問題となっている。脱炭素化を目指すための国際的枠組みであるパリ協定や、日本においては2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするカーボンニュートラルなど、人類の発展の反面で脅かされている環境問題への対応は待った無しである。住み良い地球を後世へと残していくため何をすべきか、私たち自身も考えなければならない。

代表取締役 森 雄一

2023年7月号(第171号)


 私が青年会議所(JC)現役の2004年から携わってきた「となみ野サマーチャレンジ(旧となみ野100km徒歩の旅)」。この事業は子ども達の生きる力の醸成を目的に、小学生を対象として夏休みに4泊5日で130km程を歩くという青少年育成事業であるが、コロナ禍においては事業中止を余儀なくされ、今年は5類に移行したこともあり、4年ぶり17回目の開催に向けて春から準備を進めていた。今年から富山市もエリアに入れ、富山市教育委員会や小学校長会にも協力を依頼し、各学校へのチラシ配布や施設使用について何度も足を運び打合せを重ね、何とか事業再開に向けての準備を整えるところまで漕ぎ着けることができた。
 そして先月迎えた参加者受付の日、期待と不安が入り混じる中、電話受付の開始時間から鳴り止まない電話。最小開催人数の60名に向けて良いスタートが切れたと思ったのも束の間、その勢いは10分足らずで衰え、最終的に19名の応募に留まり、苦渋の決断ではあったが今年の事業中止を決めた。2004年スタート当時は応募者多数で抽選にまでなった事業であるが、少子化や子どもを取り巻く環境、コロナ禍の影響など様々な要素が絡み合っての結果に、私たちの役割も終わりを迎えたのかという一抹の寂しさもあり、一足早い夏の終わりとなった。
 時代は常に変化しており、過去のニーズが今も同じとは限らない。ビジネスにおいても同様で、世の中の動きを敏感に捉え、それに合わせて変えていかねばならないと痛感した次第である。

代表取締役 森 雄一

2023年6月号(第170号)


 新型コロナウイルス5類移行に伴い実施した社員旅行、4年ぶりということもあって、2泊3日で島根県と広島県のコースに決定した。1日目は強い雨の中だったが、ほとんどが移動と足立美術館見学のため特に問題なく、無事に玉造温泉へ到着。社員旅行が4年ぶりなら社員の皆さんとお酒を酌み交わすのも2020年1月の新年会以来で、久しぶりのノーマスクにお酒の勢いも加わったせいか皆さんのテンションもやや高めで、とても楽しい時間を過ごすことができた。やはりコミュニケーション、ノミニケーションはお互いを知り理解するためには必要なものだと改めて実感した。新入社員に限らずコロナ禍以降に入社した社員にとっても、本当の意味で会社に打ち解けることができたのではないだろうか。
 2日目はまず出雲大社へ。神楽殿での参拝では社員の幸せと社業の繁栄を祈り、普段とは違う凛とした空気に心が洗われた。広島平和公園では原爆の惨たらしさに涙を堪えきれず、平和への感謝と誓い、そして焼け野原からの復興に建設業が果たした役割に誇りを感じ、これからも社会資本整備を担っていく使命感を新たにした。
 社員の皆さんと3日間を共にすると、ひとり一人の色々な部分が見えてくる。安心して見ていられる人、心配で目が離せない人、仕事では見えなかった新たな一面や発見。十人十色でデコボコでも、我が社はこれで成り立っている。「みんなちがって、みんないい」こんな言葉を思い出す、良き旅になりました。

代表取締役 森 雄一

2023年5月号(第169号)


 最近よく耳にする「チャットGPT」をご存知でしょうか。米国のOpen AI社が開発した、人工知能(AI)を使ったチャットサービスで、人間の質問に対してまるで人間のように自然に答える技術を搭載しており、利用者が急増している。そのチャットGPTに、今度社員旅行で訪れる「出雲大社の見どころを300字以内でまとめて」と質問すると、以下の回答であった。
 「出雲大社は、古代神話における国生み神話の中心地であり、日本でも有数の古社のひとつです。出雲大社の最大の見どころは、本殿、拝殿、末社、拝殿前広場、御手洗池などが挙げられます。特に本殿は国宝に指定されており、出雲大社の由緒や歴史を感じることができます。出雲大社は毎年10月に行われる「神在祭」が有名で、多くの観光客が訪れます。出雲大社を訪れる際には、ぜひこれらの見どころを巡って、神話の世界を感じてみてください。」
 このような回答が、わずか数秒で出てくるのだから驚きだ。テスラCEOのイーロン・マスク氏は「チャットGPTは恐ろしくすごい。危険なほど強力なAIが現実味を帯びてきた」と語り、マイクロソフト元会長のビル・ゲイツ氏は「これは革命だ」と言い切るほど、世界中を震撼させているのだ。急激に進化するAIが武器にも凶器にもなりうる現代において、私たちはどう向き合っていくべきだろうか。

代表取締役 森 雄一

2023年4月号(第168号)


 第5回WBCワールドベースボールクラシックは、日本が14年ぶりに王座を奪還し、見事世界一に輝き幕を閉じた。栗山監督率いる今回の侍ジャパンは豪華メンバーが顔を揃え、まさに史上最強チームとして、私たちにたくさんの勇気と感動を与えてくれた。特に準決勝のメキシコ戦での逆転サヨナラ勝利は、勝利への執念と絶対に諦めないという姿に鳥肌が立ち、決勝のアメリカ戦では選手を信じ切る栗山監督の7投手による見事な継投で、最後は大谷がトラウトを歴史に残る名勝負の末に空振り三振に仕留め、侍ジャパンが世界中を魅了した素晴らしい大会となった。
 この大会期間中に開幕した春の選抜高校野球において、「ペッパーミルパフォーマンス」が物議を醸している。このパフォーマンスはWBC日本代表選手が出塁した時などに味方を鼓舞するポーズで、流行りのポーズをマネした選手が審判から注意を受けたというものだ。確かに相手チームのエラーで出塁した際に行なったことはあるにせよ、WBCの盛り上がりを見れば高校生がマネをするのは容易に想像できたはずだ。「高校野球にパフォーマンスは必要無い」と言うのであれば、事前に慎むよう通達できたのではなかったか。注意されたチームは萎縮したのか敗戦となり、何とも後味の悪さだけが残ってしまった。
 今回のWBCでは、若い侍ジャパンたちが大活躍した。それも大好きな野球を伸び伸びとプレーしたからこそ招いた結果だと思う。若者を頭ごなしに否定するよりも、良い面は伸ばし、足りない部分に気づかせる指導が必要なのだろう。

代表取締役 森 雄一

2023年3月号(第167号)


 3/1〜7の4泊7日で、県建設業協会常任理事会研修視察のため、豪メルボルン・シドニーへ出掛けた。コロナ禍では中止になっていたが、これまで常任理事会では2年に一度、海外研修を行なっていたようで、私が令和元年に県の土地改良委員長に就任してからは初の海外研修であり、コロナ禍や円安であまり気乗りはしなかったが断るわけにもいかず、渋々参加することにした。
 今や海外への渡航制限も無くなり、機内はほぼ満席。約10時間のフライトで足のむくみなど身体中の痛みに耐えながらも何とかシドニーへ到着。空港を降りるとそこは様々な人種が溢れ、何よりマスクを着用しているのは日本人くらいのもので、コロナに対する対応が国によりこんなにも違うものかと驚かされる。私たちの団体でも「郷に入っては郷に従え」と、すぐにマスクを外す人も若干いたが、この3年間マスクを着用し続け、人前でマスクをしないことがあたかも罪であるかのような感覚になっている状況では、さすがにマスクを外すことに躊躇いがあった。それでも翌日からは私たちの団体だけの行動のため思い切ってマスクを外してみたのだが、最初は何か落ち着かなかったが徐々に慣れていった。
 今回の旅行を通して、コロナ禍のこの3年間で、私たちの価値観が全く変わってしまったことを改めて強く感じると共に、マスクの無い生活がどれだけ快適で、人々の表情を確認できることがコミュニケーションにおいていかに重要かを痛感した次第である。日本国内でも3/13からはマスク着用が自己判断となるが、先日の社員会議でも述べたとおり、就業時間内は屋内外問わず引き続きマスクを着用し、感染防止対策の徹底をお願いしたい。決してコロナが無くなるわけではないが、マスクの無い生活まで、もう少しの所まで来ている。

代表取締役 森 雄一

2023年2月号(第166号)


 先日の週末、「経営計画作成合宿セミナー」なるものを2日間受講した。いつも購読しているメルマガでこのセミナーが目に止まり、どのようなものなのか、受講して恥をかかないだろうか、週末ぐらいゆっくり休みたいなど、不安や怠け心との葛藤を繰り返し、それでも会社を良くしたい、経営者として成長したいとの思いから、思い切って受講することにした。
 セミナーには当たり外れも多いが、このセミナーは大当たりだった。経営計画を作成する手法だけではなく、経営とは何か、理念方針とは何か、会社の強み弱み、数字計画、利益分配、内部管理、顧客創造計画などなど、多くの気づきと学びを与えてくれ、2日間があっという間に感じるほど有意義な時間となった。また、参加者同士の情報交換も、業種や商圏がバラバラのため腹の探り合いが無く、有益な情報を惜しみなく提供し合うという、まさに宝箱のようなセミナーであった。
 「セミナーの中で、「社長の役割とは、今日とは違う明日をつくることである」という言葉にハッとして自問した。私は日々成長できているだろうか、会社を成長させているだろうか、社員に今日とは違う未来の姿を示しているだろうかと。私を奮い立たせてくれるのは、社員の皆さんの存在があるからです。皆さんは、誰の笑顔のために頑張れますか?

代表取締役 森 雄一

2023年1月号(第165号)


 穏やかな新春を迎えられたこと、大変嬉しく思います。今年の干支は「癸卯(みずのと・う)」で、「癸」は生命の終わりを意味するとともに、次の新たな生命が成長し始めている状態を意味します。「卯」は穏やかなうさぎの様子から安全、温和の意味を持ち、また、うさぎのように跳ね上がるという意味から卯年は何かを開始するのに縁起がよく、希望があふれ、景気回復、好転するよい年になると言われています。この2つの組み合わせである「癸卯」には、これまでの努力が実を結び、勢いよく成長し飛躍するような年になると考えられるそうです。
 今期のスローガンには「安心して働ける職場環境の実現」を掲げました。いまだに続く新型コロナウイルスの影響、ロシアによるウクライナ侵攻、物価上昇や金利上昇による経済不安など、私たちはまだまだ不安定な状況にある中で、安心して働ける環境を整えることが「社員の皆さんの笑顔のために」繋がると確信しています。ひとり一人の努力が実を結び、飛躍の年となるよう、心新たに取り組んでいきましょう!

代表取締役 森 雄一

2022年12月号(第164号)


 サッカーW杯カタール大会において、森保ジャパンがドイツ、スペインを破る歴史的勝利を上げ、グループ首位で決勝トーナメントに進出した。今大会の開幕前は、世間の期待も関心もさほど高くなかったように感じられたが、初戦のドイツ戦の逆転勝利から一転して日本代表を称賛する熱狂ぶり。手のひら返しとはまさにこのことで、素晴らしい活躍に脱帽するばかりだ。
 特にスペイン戦でのVAR判定による逆転ゴールは、誰もがゴールラインを割ったであろうと思われたが、三苫選手の「1ミリでもピッチの中に入っていればいいと思って足を伸ばした」という、絶対最後まであきらめない姿勢に勝利の女神が微笑んだに違いない。試合後、森保監督は「苦しい戦いだったが、選手たちは“自分たちはできる”と信じ続けた」、同点ゴールの堂安選手は「必ず決めると信じていた」、逆転ゴールの田中選手は「自分たちを信じていた」とコメントしており、仲間と自分を信じる気持ちが奇跡的な勝利を呼び込んだのだ。
 クロアチア戦はPK戦の末に惜しくも敗れたが、彼らの成し遂げた偉業は決して色あせるものではない。興奮と感動を与えてくれた日本代表に、心から感謝したい。

代表取締役 森 雄一

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