2023年4月号(第168号)


 第5回WBCワールドベースボールクラシックは、日本が14年ぶりに王座を奪還し、見事世界一に輝き幕を閉じた。栗山監督率いる今回の侍ジャパンは豪華メンバーが顔を揃え、まさに史上最強チームとして、私たちにたくさんの勇気と感動を与えてくれた。特に準決勝のメキシコ戦での逆転サヨナラ勝利は、勝利への執念と絶対に諦めないという姿に鳥肌が立ち、決勝のアメリカ戦では選手を信じ切る栗山監督の7投手による見事な継投で、最後は大谷がトラウトを歴史に残る名勝負の末に空振り三振に仕留め、侍ジャパンが世界中を魅了した素晴らしい大会となった。
 この大会期間中に開幕した春の選抜高校野球において、「ペッパーミルパフォーマンス」が物議を醸している。このパフォーマンスはWBC日本代表選手が出塁した時などに味方を鼓舞するポーズで、流行りのポーズをマネした選手が審判から注意を受けたというものだ。確かに相手チームのエラーで出塁した際に行なったことはあるにせよ、WBCの盛り上がりを見れば高校生がマネをするのは容易に想像できたはずだ。「高校野球にパフォーマンスは必要無い」と言うのであれば、事前に慎むよう通達できたのではなかったか。注意されたチームは萎縮したのか敗戦となり、何とも後味の悪さだけが残ってしまった。
 今回のWBCでは、若い侍ジャパンたちが大活躍した。それも大好きな野球を伸び伸びとプレーしたからこそ招いた結果だと思う。若者を頭ごなしに否定するよりも、良い面は伸ばし、足りない部分に気づかせる指導が必要なのだろう。

代表取締役 森 雄一

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