2026年5月号(第205号)


 多くの感動を与えてくれたミラノ・コルティナ冬季五輪。その主役となったフィギュアスケート2組の選手の引退。多くの学びがそこにはある。
 今期限りでの引退を表明して臨んだ女子シングルの坂本花織選手。大技に頼らず技の完成度を極限まで高め、小さな得点を積み上げることで唯一無二の完璧を求めるスタイルで、世界選手権3連覇、北京五輪個人銅メダル、全日本選手権5度優勝など数々の栄冠を手にしてきたが、最後の五輪では惜しくも銀メダルに終わった。その悔しさをバネに、現役最後の試合となる世界選手権で4度目の優勝を飾り、「苦しいことのほうが多かったが、本当に楽しかったからこその21年間だった」と語った坂本選手。その姿はまさに世界中のスケーターが認める絶対女王そのものであった。
 りくりゅうペアこと三浦璃来選手と木原龍一選手。SPで得意のリフトが崩れ、まさかの5位発進。フリー演技直前に失意の木原選手に三浦選手は「メダルのためじゃない。私はあなたのために滑るよ」と声をかけ、木原選手は「お互いのために今日は滑ろう」と答えたという。普段から徹底的なコミュニケーションでお互いの感覚のズレを修正し、信頼を積み重ねてきた結果掴んだ金メダルは、やり切った二人に対する女神の祝福だろう。
 苦しいことも楽しさがあるから乗り越えられる。自分より相手のためを思うからこそ力が湧いてくる。私には果たさねばならない使命が山ほどあるが、皆さんと共にやり切ったと思える現役生活を送りたい。

代表取締役 森 雄一

  • 代表取締役社長 森 雄一

  • 最近の投稿

  • 月刊アーカイブ