2020年7月号(第135号)


 私はたまに料理を作るのだが、そこに金銭感覚はほぼ無いに等しい。自分が食べたいと思ったもの、作りたいと思ったものを、材料費がいくらかかろうが、無造作に買い物カゴに放り込む。それが男の料理だと思っている。かたや妻は(主婦はと言うべきか)、毎日スーパーのチラシをチェックし、ここは何が安い、あそこは何が安いだの、何日はポイント何倍デーだのと、お得な情報と冷蔵庫の食材をフル活用して365日×3食のメニューを編み出すという、スーパーコンピュータ「富岳」顔負けの離れ業をやってのける。どちらが正しいかなどと、野暮なことを言うつもりはさらさら無い。男と女はそもそも違うし、違うから男と女なのだ。
 そんな私であるが、無頓着ではいられない事がある。全国において7月より始まった、レジ袋有料化である。もともと富山県においては、早くから有料化に取り組んでいたが、いざ義務化となると一枚たった数円のレジ袋が、とてつもなく重い負担に感じるのである。
私たち建設業は、請負額が数千万円、数億円に上ることもあり、あまり小さな事に執着しない傾向があるように思われる。ましてや自分の財布から現金で支払うわけでもないので、単なる数字のやりとりにしか感じないのも現実だ。しかしながら、「塵も積もれば山となる」、レジ袋の数円をもったいないと思う感覚を、仕事にこそ生かすべきなのだ。

代表取締役社長 森 雄一

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