2023年12月号(第176号)


 先日、となみ野アスコン(株)のアスファルトプラントを建設していただいた田中鉄工(株)さんの九州工場見学のため佐賀県を訪れた。となみ野アスコンはアスファルト合材出荷量が減少する中、経営の合理化を目的として、3プラントを集約して9社が出資する会社であり、私も出資構成員として役員になっている。
 工場でひと通りの説明を聞いた中で印象に残ったのが、近年ではフォームドアスファルトという合材の開発・実験に力を入れているということ。フォームドアスファルトとは、制御装置内で加熱アスファルトに微量の水または水蒸気を添加することによって発生させた泡状のアスファルトで、耐久性に優れワーカビリティが良好な上に経済的とのことで、これを使用することによって舗設時の合材敷均し温度を20〜30度低くできるのだそうだ。特に夏場の厳しい暑さの中、150度近いアスファルト合材を扱うのは過酷なもので、これが現場で使えるようになれば熱中症リスクの低減、新技術採用による評価点数のアップに間違いなく繋がるだろう。
 そしてもう一つ驚いたのが、SDGsや環境負荷低減に対する熱心な取り組みであり、田中鉄工さんでは廃食用油をリサイクルしてエネルギー活用しているのだ。食用油は植物性のため植物が育つ段階で二酸化炭素を吸収することからCO2排出量を大幅に抑制でき、カーボンニュートラルに大きく貢献するのだ。
 以前にも書いたが、地球温暖化対策は待った無しの問題であり、我が社においても他人事では済まされない。電気自動車やハイブリッド重機の導入、低燃費運転のための急アクセル抑制やアイドリングストップ等々、出来ることはたくさんある。社員が意識を変えて組織ぐるみで取り組んでいく会社こそが、世の中に貢献し必要とされるのだろう。

代表取締役 森 雄一

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