• 代表取締役社長 森 雄一

2010年4月号(vol.12)


先日の社員会議において、管理職員には当社の業績の現状報告を行ない、今期の窮状を訴えた。どれほど厳しい状況に置かれているかは、現場代理人を通して全社員が報告を受けているはずである。この状況を改善するため、原価を3%下げる努力をすることを具体策を示しながら提案し、管理職員も全員がアイデアを出し合った。例えばAS厚設計5cm、平均5.5cm施工のところをわずか2mm詰めれば原価は3%下がる。コアを見ると6cm位ある時もあるし、砕石などは設計の2倍ほど使っている場合もある。印刷費を見ても誤字脱字やミスプリントなど、当社のコピー代は群を抜いて高い(自慢できることではないが)。自宅に帰りその話をしたところ、娘から「森組の車って、誰も乗ってないのにエンジンかかってるよ」・・・絶句である。

コストを下げるにあたり、何も難しい事を考える必要はない。まずは自分たちの出来る事から始めようじゃないか。他産業では乾いた雑巾をなおも絞る努力をしているが、当社の雑巾からは水が滴り落ちているかもしれない。「チームマイナス3%」どこかで聞いたようなフレーズだが、是非皆さんもアイデアを出し、実行して欲しい。まだまだ1年の1/4が終わったばかり、挽回の可能性は十分残されている。

 

代表取締役社長 森 雄一

2010年3月号(vol.11)


トヨタがリコール問題によって経営の危機を迎えている。「世界のトヨタ」と言われ、2007年3月期には2兆2000億円を超える営業利益を計上し、多くのマスコミから絶賛された企業が、一転して全世界からバッシングを受けているのはなぜだろうか。

識者によるとアメリカの政治的な要因も根底にあるようだが、やはり最大の原因は初期対応が遅かったことと誠実さに欠ける部分があったことではないかと思う。過去の食品偽装問題などを見ても、ここでつまずくと助かるものも助からない。罪を隠すより自分の否を認め、真摯に対応しておけば再起の道が残されていたのにと感じることが少なくない。

辛いことや嫌なことから逃げ出したいのは誰もが同じ。しかし、そこから逃げずに立ち向かう覚悟と勇気を持った時、自身の成長と進化があるのだと思う。大なり小なり人生において苦悩や失敗は必ずあるが、責任を転嫁せず自らを律することから始めよう。

 

代表取締役社長 森 雄一

2010年2月号(vol.10)


私が青年会議所(JC)に入会して11年目を迎えた。あらためて考えてみると、JCでは様々な事を学ばせてもらったし、学んだことを会社に取り入れたことも非常に多く、JCなしに今の私や会社はなかったであろうと思う。JCは単年度制で毎年組織が変わり、色々な役割を経験できるのだが、今年は富山県全体(富山ブロック)の会長というありがたい機会をいただいた。

当社では年当初に経営計画を発表して会社の方針を伝えるが、JCでそれに当たるものが京都会議である。期間中は毎朝7時から30分間「早朝会議」というものが行なわれるのだが、立場上11回目の京都会議にして初めて参加することとなった。工務室ほどの広さの会場に溢れんばかりの人が入り、物凄い熱気に包まれている。内容は役員の挨拶、当日スケジュールの確認、「ガンバロー」の気合い入れ、たったこれだけ。スケジュールは事前に分かっているし、欠席しても罰則があるわけでもなく、2日目から来なくなる者もいたが、発表者は腹から声を出し、設営者はまだ暗い内から頑張っている姿を見ると、自分も頑張らねばと胸が熱くなった。

皆さんの現場での朝礼・ミーティングはどうだろうか。内容もさることながら「よし、やるぞ!」という気持ちにさせているだろうか。元気や本気は人をその気にさせるものであり、些細な事でも真剣に取組むことに意義があるのではないだろうか。

 

代表取締役社長 森 雄一

2010年1月号(vol.9)


新年明けましておめでとうございます。ご家族の皆様ともども輝かしい新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。

昨年は「日々成長」の方針のもと、それぞれが持ち場において努力し、実りある一年とすることができました。皆さんの底力を垣間見ることができたと共に、あらためて感謝しているところです。今年の我々を取り巻く環境を見てみると、社会情勢が大きく転換し激変の年になることが予想されますが、戦う前から戦意消失していては道は開けません。どんな困難にも立ち向かう勇気と覚悟を持って、着実に歩を進めていけば必ず勝機は訪れます。

今年のスローガンは「継続は力なり」。昨年の結果だけに満足せず、個人も会社も成長を続けることで強い体質に生まれ変わります。年末を全員が笑顔で迎えることができるよう、一人ひとりが奮起し、さらなる飛躍の年にしましょう。

 

代表取締役社長 森 雄一

2009年12月号(vol.8)


先月訪日したオバマ米大統領が皇居で天皇、皇后両陛下と面会した際、深々とお辞儀したことが「低姿勢過ぎる」と米国内で物議を醸したとの報道が目に止まった。なぜこんなことで批判の声が上がるのか不思議でならない。

相手に尊敬の念を持ち接することは国際社会においては当然のマナーであり、卑屈になることとは全くもって異なることだ。今回は日本の中での出来事であり、「郷に入っては郷に従え」という言葉もあるように、オバマ米大統領なりの我が国に対する敬意の表し方だったのではないだろうか。ましてや天皇は我が国の象徴であることを考えると、その行動に不自然な点は見当たらない。確かにアメリカは世界をリードする大国であり世界の王であることは誰もが認めるところだ。しかしそれは周りが認めることであって、自ら奢り高ぶっては「裸の王様」になってしまうのだ。

皆さんも日常の言動に思い当たる節はないだろうか。発注者、地域の方々、協力業者や社内の人間関係に対してはどうだろう。私自身も日々反省し、自戒の念を繰り返しているところである。「実るほど頭を垂れる稲穂かな」あらためて、含蓄のある言葉だ。

 

代表取締役社長 森 雄一

2009年11月号(vol.7)


先日、私の地元である高畠の秋祭りが行なわれ、併せて獅子舞を奉納させていただいた。高畠の獅子舞は3年に一度出され、その年の夏と秋祭りの直前にそれぞれ1週間程度の稽古を経て本番に臨む。近年では少子化の問題や、若い青年層が地元を離れ都会で就職したりすることから、獅子舞の継続も深刻な問題になっているのが現状で、おそらく他の地域も同様の悩みを抱えていることだろうと思う。

地域の結びつきが希薄になり、「他人や地域のことより自分のこと」という公の精神を持てなくなってきている現代では、「ない方が楽でよい」という感覚に陥るかもしれない。しかし、獅子舞に限らず祭事などの地域行事は、文化・伝統を継承していく上で重要な役割を担っている。これらを継承していくことは、地域で生きる者の責任であるし、後世へと繋いでいくことがどれだけ子供たちの豊かな心を育み、地域教育の土壌を醸成するかは言うまでもない。

他人や地域のために汗を流すことが陳腐に思える世の中だからこそ、あえて大切にしなければならない事がある。時代は変われども、魂は不変のものなのだから。

 

代表取締役社長 森 雄一

2009年10月号(vol.6)


ジャイアンツがリーグ制覇を成し遂げた。ジャイアンツファンの私にとってはとても嬉しいことである。歓喜の瞬間、ビールかけ、選手やスタッフの笑顔からは、大きなことを成し遂げた達成感と喜びが溢れ出る。シーズンオフから自主トレ、キャンプを経て長いシーズンを戦うわけだが、その間には好不調の波や故障者、オーダーの組み換えなど、決して順風満帆ではなかったであろう。ましてや今年は原監督にとってはWBCの監督も兼任しており、その精神的重圧は計り知れないものがあったと思う。また、監督不在の状況は選手個々が自立する上で大きな転機にもなっただろう。「選手が本当にたくましく成長してくれた」という監督の言葉には実感がこもる。

以前ジャイアンツは大型補強を繰り返しながらも低迷する時期があった。各チームの4番バッターばかりを揃えても、チームのバランスや和が保てないということなのだろう。それが今は若手が台頭し、ベテランは要所をしっかり締め、それぞれの役割をしっかり果たし生き生きとプレーしている。組織の中で自分に何が出来るのか、何を求められているのか、何が足りないのか、何を補うべきか。歓喜の瞬間を夢見て、日々成長、努力は必ず報われる。

 

代表取締役社長 森 雄一

2009年9月号(vol.5)


自民党が歴史的大敗を喫した衆議院選挙が終わり、政権交代が確実となった。しかしながらその中でも私達のエリアの富山3区においては、皆さんの協力もあり自民党が議席を獲得できたことに感謝します。

個人的には今回の選挙は、「日本人の民度を問う選挙」だと捉えていた。日本人は世界の中でも民度が高いと言われており、民度とは、人間の持つ倫理観や道徳観、良識のことである。この国の行く末を決める大事な局面で、目先の利益やマスコミの偏った報道に惑わされ、良識ある選択がなされなかったことが残念でならない。もっとも、今の自民党が手放しで称賛できる政党だとは私自身も思わない。しかし、国の財源や国家安全保障など、痛みは伴えど明確な国家ビジョンを示し、そこに向かうための政策を実現するのが責任政党なのだ。今回を機に、自民党が本当の意味で国民の信頼と負託に応えられる政党に変わることを期待する。

民主党政権誕生により、建設業界に大きな逆風が吹くことは間違いない。その逆風の中を生き抜くには、私達が努力を重ね日々成長していくしかない。心一つに、わが社にはそれができると信じている。

 

代表取締役社長 森 雄一

2009年8月号(vol.4)


福野高校が高岡商業を破り、見事甲子園初出場を決めました。社員の皆さんの中にも卒業生は多いと思いますが、母校の活躍を誇りに思います。特に決勝戦の九回の攻撃は、神が舞い降りたとも思える奇跡の逆転劇で、球場だけでなく地元南砺市が心一つになったのではないでしょうか。創立115年目にして初めての甲子園への切符を掴むまでには、幾多の試練があったと思われます。

今年から福野高校野球部では、部員の心を一つにするため、「感謝」、「信」、「Enjoy Baseball」という部訓を定めたそうです。どんなに辛い時でも周りへの感謝の気持ちを忘れず、自分の力と仲間を信じ、野球を楽しむことを合言葉に、全員野球を実践したことが実を結んだのです。この気持ちを忘れず甲子園でも活躍してもらいたいものです。

当社においては4年前に「地域貢献」、「企業の永続的発展」、「社員の幸福」を柱とした経営ビジョンを掲げ、毎年の経営計画に基づき経営を進めています。そうやって続けてきたことが昨年ようやく少し実を結び、今年も皆さんのおかげで現在までは順調に推移しています。気を抜くことなく、残り五カ月、全員の力を一つにして目標を達成しましょう!

 

代表取締役社長 森 雄一

2009年7月号(vol.3)


全国安全週間を機に、あらためて安全について考えてみることとします。労災の発生率が一番高いのが建設業であることからも分かるように、私達の仕事はいつも危険と背中合わせです。事故は周りの全てを不幸にします。被災した本人は身体的痛み、加害者には精神的苦痛、そして会社にとっては経営危機に陥ることを社員全員が肝に銘じておく必要があるのです。

「労災一つで経営危機とは大げさな」と思うかもしれないが、これは決して脅しているのではありません。理由の一つ目は、労災の程度によっては指名停止という行政処分が科され、一定期間の入札に参加できず、工事を受注することができなくなるということが挙げられます。第二に、入札制度改革により、現在は総合評価方式の入札が行われています。金額だけで落札者を決めるのではなく、技術力などを加味して総合的に落札者を決定するという入札方式で、これには工事成績も大きく影響します。当社においては工事成績が優れているか否かを判断する基準である、過去3年間の平均点は今のところ75点を上回っています。皆さんの技術力に感謝するところですが、安心ばかりしてはいられません。どんなに現場の出来栄えが素晴らしくても、労災を起こせば工事成績は60点台に急落し、結果として平均点も75点を下回ることになります。そうなれば他社よりさらに低価格での競争となり、利益に大きく影響するどころか、仕事を受注できないという状況に陥ります。

無事故はお互いに注意をし合いながら達成するものであり、そこには上司も部下も立場も関係ありません。「現場における事故と会社の経営は直結する」=「皆さんの生活に直結する」ということを肝に銘じ、安全に対して本気で取組んでいきましょう。

 

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