代表取締役社長 森 雄一
7月24日正午、テレビのアナログ放送が終了し、地上デジタル放送に移行した。日本でテレビ放送が始まった昭和28年以来、半世紀以上続いたアナログ放送の歴史が幕を下ろし、一つの大きな時代が終わったことを実感せずにはいられない。「デジタル」というと何やら難しく敬遠がちにもなるが、デジタルの世界では簡単に言えば「0」と「1」しかなく、これらの数字の様々な組み合わせ方によってデータを処理することになる(らしい)。こんな単純なことで世の中がますます便利になるのだから、アナログ人間の私としてはますます頭が混乱する(笑)
人間社会はどうだろうか。好きか嫌い、勝つか負けるかのような「0」か「1」では、心休まる時間や他人を思いやること、共存共栄などは成り立たず、生か死かの殺伐とした社会に陥ってしまうだろう。何もかもがうやむやなのも考えものだが、「いいかげん」ならぬ「良い加減」も大切にしたいものだ。
これから仕事も最盛期へと突入する。お盆を中休みとして、後半へ向けてしっかり取り組んでいこう。
代表取締役社長 森 雄一
今年に入ってから、趣味で蕎麦打ちを始めた。大それた理由などなく、ただ好きな時に好きなだけ蕎麦を食べたいと思ったからである。知人のつてを辿り入会したのが「富山そば研究会 城端道場」で、2月に入会して以来、毎週週末に蕎麦を打つのが至福のひと時となっている。
もともと蕎麦打ちの知識や技術があったわけではなくゼロからのスタートのため、先輩方(50代~60代の方が中心で、中でも私はズバ抜けて若い!)にご指導いただきながら悪戦苦闘を繰り返している。知識から入ろうと思っても技術が伴わないし、数を重ねなければ道理が分からない。結局のところ、上達の近道は理屈をこねるより教えを素直に聞き、身体で覚えるしか無いようだ。新入社員も2カ月に及ぶ富士教育センターでの研修を終え、少し逞しくなって戻ってきてくれた。今後は実務の中で立派な技術者に成長してほしいと願っている。
日本には柔道、剣道、茶道など「道」という概念がある。道を窮める(きわめる)のは並大抵のことではないが、素直さと情熱と根気でそこに近づくことはできるはずだ。「蕎麦道」しかり「建設道」もまたしかりか。
代表取締役社長 森 雄一
6月は衣替えの時期、あちこちで涼しげな服装が目に付き夏の到来を思わせる。当社としては数年前からクールビズ、ウォームビズを取り入れ、夏場の冷房は28度、冬場の暖房は20度に設定し、環境に配慮しているところである。
今年は震災での福島第一原発事故を受けて夏の電力供給が滞ることが予想されることから、アロハシャツやジーンズでの勤務も可とする「スーパークールビズ」、さらには短パンやサンダルまでをも可とする「ウルトラクールビズ」が推奨されているが、私はこのことに違和感を覚えずにはいられない。
もちろんこの国難に、国や国民を挙げた取り組みは当然のことであるが、その事によって相手に礼を欠くことがあってはならないということだ。当社で取り組んでいるクールビズなどもあくまでも社内のことであって、お客様や訪問先がどうであるかは別問題であり、TPOをわきまえておきたいものだ。周りに不快感を与えないか、さらには自分のご都合主義になってはいないかを考える必要があるのではないか。今一度、わが身を振り返ってみよう。
代表取締役社長 森 雄一
先月より新入社員が2名入社した。新卒での採用は焼田君以来3年ぶりとなる。彼らは見るからに若々しく、社内に新たな風を吹き込んでくれることだろう。
一週間に及ぶ新入社員研修の中で、彼らに社会人としての心構えや会社の方針を説き、また考えさせるわけだが、それだけで立派な社員になるわけでもなく、研修は単なるきっかけにすぎず、ある意味種まきのようなものだ。私の持論ではあるが、せっかく生を受けたならば人間は一生成長する努力をしなければならないと思っている。歳を重ねるごとに衰えるのは承知の上であるが、私の言う成長とは単に肉体的や能力的に限ったことではなく、心の成熟もそれに当たる。まだまだ未熟な私が言うのも憚られるが、人生の大半を仕事に従事するならば、その仕事や会社を通じて人間的成長に繋げなければならないし、そこへ社員を導くのも経営者の責任であると思う。
肥沃な土壌に実りがあるように、我社も人が育つ企業風土でありたい。その風土を作るのはあなたであり私自身である。私もまだ人生半ば、皆さんと共に成長していきたい。
代表取締役社長 森 雄一
この度の東日本大震災は未だ被害の全容が明らかになっていないが、かつて私たちが経験したことのない大惨事であることは間違いなく、被災された全ての方々に心からのご冥福とお見舞いを申し上げます。
当社としても親睦会と合わせて義捐金を送るとともに、南砺市を通じて宿舎の提供を申し出たところであり、今後想定されるであろう人的支援にも出来る限りの協力を行なっていきたいと考えています。
わが国には古くから、互いに協力し助け合う相互扶助の精神である「結いの精神」があります。人と人との繋がりが希薄になってきた今こそ、この崇高な精神で国難を乗り切る時です。幸せな暮らしを送れることに感謝し、それぞれに何が出来るか、何をすべきかを考えていきましょう。がんばろう日本!
代表取締役社長 森 雄一
先日から自宅のブレーカーの調子が悪く、電気を全く使えない日もあった。こんな状況で改めて気付かされるのが、私たちはいかに恵まれた環境にあるのかということだ。我が家はオール電化ではないが、電気が使えないだけで照明、暖房、風呂、トイレ、食事、TVなど生活に関わるありとあらゆるものに支障をきたす。電気の無い生活がどれ程想像を絶するか、ぜひ皆さんのお宅でも一度ブレーカーを落として一日を過ごしてみることをオススメする(笑)
我が国における電気の歴史は、1882年に東京・銀座に日本初の電灯が灯ったのを皮切りに急速に普及したそうだが、「三種の神器」と言われた白黒TV・洗濯機・冷蔵庫が家庭に普及したのは1950年代後半の高度経済成長時代であり、ほんの50年程前までは今ほど電気に依存しない生活が営まれていたということになる。
話が逸れてしまったが、私たちは今、あり余る豊かさの中に身を置いている。暖かい家、おいしい食事に新鮮な水、安全な社会、どれを取っても昔とは比べ物にならないだろう。つい忘れがちになるが、身の周りのあたりまえの事がありがたいと感謝できる心を養いたい。
代表取締役社長 森 雄一
2月に入り、降り続いた雪もようやく一段落した。今シーズンは日本海側を中心に記録的な豪雪となり、道路やJRなどの交通が完全に麻痺したほか、屋根雪による家屋倒壊など改めて自然の恐ろしさを実感することとなった。このような中、昼夜を問わず除雪や屋根雪下ろしに携わっていただいた皆さんには、心からの感謝と敬意を贈りたい。
建設業には地域の安全・安心を守るという崇高な使命があり、我社の経営ビジョンにも「市民の生活を守る建設業に携わることに誇りを感じ、心・技・体の全てを駆使して社会貢献に寄与する」とあります。「屋根雪下ろしなど面倒臭くて受けられない」という見識を疑う企業もある中で、皆さんの活躍は我社のビジョンに偽り無いものであり、建設業の存在意義と誇りを再認識できたのではないだろうか。
依頼のあった全てのお宅に後日伺ったが、「すぐに対応してくれて助かった」、「一生懸命頑張ってくれて仕事も早い」、「森組にお願いしてよかった」等々、決してお世辞ではない心からの感謝の言葉を聞き、とても清々しく誇らしい気持ちで一杯になった。社員の評価はそのまま会社の評価となります。地域から真に必要とされる企業として歩んでいきたいものだ。
代表取締役社長 森 雄一
新年明けましておめでとうございます。ご家族の皆様ともども健やかに新春を迎えられましたこととお慶び申し上げます。
昨年は「継続は力なり」のスローガンのもと一人ひとりが成長をし続け、この厳しい時代の中において胸を張れる結果を残すことができました。明確な目標を定め、達成に向けた具体策を地道に行ってきたことが着実に実を結び、徐々に強い体質へと変化していることが実感できるところです。
今年は今まで行なってきたことを更に徹底して掘り下げる(究める)一年にしたいと思います。あたりまえの事をあたりまえにできる「凡事徹底」をスローガンに、更に強いひとづくり、会社づくりで「兎のごとく」飛躍できることを願っています。
代表取締役社長 森 雄一
先日、毎年恒例となっている森和会による「つどいの会」が行なわれたのだが、そこで私はあまりにも悲しい現実に直面した。この「つどいの会」は、森和会の皆様が当社に対する日頃の感謝の気持ちを込めて、どんな内容にすれば社員が喜んでくれるのかを真剣に議論し、おもてなしの心で準備設営をしていただいているものであるが、管理職員以外の誰一人として参加者がいなかったことが残念でならない。中にはどうしても外せない用事で参加できなかった者もいるだろうが、結果として相手の好意を無にする、招かれる側として礼儀に欠ける失礼な対応になったことは猛省せねばなるまい。
この森和会は、他社の協力会とは違うという言葉を会員の皆様がよく口にされる。何が違うのかというと、単なる商売上の付き合いだけでない人間同士の心と心の繋がりや絆があるという。この絆がお互いの信頼となり強い協力関係を築くことができるわけだが、これは森和会が発足して、いや当社創業以来築き上げてきた賜物であり社風である。人間関係が希薄になっている現代だからこそ、絆や信頼という目に見えない心を大切にしたいと私は思う。
「信頼を失うは易し、得るは難し」森組の社員として、心ある対応ができたかどうか、今一度良識に問うてみてほしい。
代表取締役社長 森 雄一
世界中が注目したチリ落盤事故。先月、70日ぶりに作業員33名が全員救出され、奇跡の生還を遂げたことは記憶に新しい。70日間も坑内に閉じ込められ、精神的・体力的苦痛は想像を絶する状況下での救出劇の裏には一体何があったのだろうか。
彼らのリーダーであったルイス・ウルスア氏は、事故当初わずかしかなかった食料の分配方法を決め、新たな事故防止のため交代で見張りを立てたという。要は集団の中でルールを決め、全員がそれを守ったことと、一人ひとりに役割を与えることで彼らに生きる希望を持たせたことが大きかったのではないだろうか。この決め事を一人でも無視すればいずれ仲間内で争いが起こり、坑内は戦場と化していただろう。また、地上で生還を信じて待つ家族と交信できたことも彼らの精神を正常に保つ上で重要であったと思う。
役割を与えられることで自分が必要な存在であることを確認し、自分を待っていてくれる家族のために生きて還らねばならないという使命感。どんなに絶望的な状況においても決して諦めず希望を持ち続けることの大切さを痛感する見事な生還であった。
代表取締役社長 森 雄一