2021年3月号(第143号)


 私が社長室で執務をするようになったのはいつだったか、ふと気になり調べてみたら、2016年2月29日と日記に記されており、丸5年が経過したことになる。会長が非常勤になり会長室が空いた事によるものだが、当時は会長室をすぐに社長室にするのは何故か気が引け、しばらくは空室にしておくつもりだったが、次の理由から引越すことを決めた。一つめは、城主亡き後は次の城主がその位に就く(会長がお元気なのに叱られそうだが)ように、組織において空白を生んではいけないという使命感。二つめは、その年の1月から私が兼務していた工務部門長と営業部門長を権限移譲しており、私がそのまま工務室に居ては社員の自立を妨げてしまうという危機感だ。
 社長室には、創業者である森金吾と会長の2枚の肖像画が掛けられており、毎朝こうして事業が続けられている事への感謝と、一日の平穏を祈っている。社長室での執務は孤独だが、常に見られていると思うと、何故か背筋がピンとするものだ。3枚目の額が掛けられるその日まで、社員の皆さんと共に、胸を張れる会社を創っていく所存である。

代表取締役社長 森 雄一

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