2021年8月号(第148号)


 一年延期となった東京五輪が7月23日に開幕し、日本選手の連日のメダルラッシュが続いている。今号が発行される頃は閉会しているが、過去最多のメダル数がどれだけ伸びているのか楽しみだ。アスリートにとってオリンピックは他の大会とは全く違う特別なもので、そこにかける情熱や、苦しみを乗り越えて発せられる言葉は、私たちの想像をはるかに超えた重みがある。
 今大会で躍進した柔道日本。成績も見事なものだが、畳の上で喜びを抑える姿が世界中から称賛されている。「顔を上げて、胸を張ってしっかり礼をして畳を下りたいと思った。なので、五輪の舞台でしっかり胸を張って礼をして、感謝の気持ちで畳を下りた(阿部一二三)」、「相手がいる対人競技なので、相手を敬おうと思っていました。冷静に綺麗な礼もできたのではないかと思います。日本の心を見せられる場でもあるので、よく気持ちを抑えられたと思います(大野将平)」何と立派な武士道精神であろうか。どこかの勘違い横綱も少しは見習ってほしいものだ。
 また、コロナ禍での開催ということで、大会の開催や運営側への感謝の言葉もとても多く感じられる。体操日本の選手団が客席で「運営スタッフの皆様 ありがとう 体操競技 日本選手団一同」と書かれた国旗の横断幕を掲げたシーンは、それを象徴する姿だったのではないだろうか。
開催に対する賛否両論はあるものの、選手たちの姿にはそれらを超越した感動があり、コロナ禍で暗いニュースばかりの昨今において、改めてスポーツの素晴らしさを実感した大会であった。アスリートの皆さん、全世界に感動をありがとう!

代表取締役社長 森 雄一

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