2024年7月号(第183号)
- 2024年07月10日
- 日記
2024年7月3日、新紙幣として一万円・五千円・千円札の3券種が改刷された。紙幣の改刷は偽装防止の観点から概ね20年毎に行われており、150年以上にわたり培われた日本の偽装防止技術の結晶がどのようなものか興味深い。
さて、それぞれの紙幣に描かれる図柄ついて触れてみよう。一万円札の表面には、生涯に約500もの企業の設立などに関わったといわれ、実業界で活躍した渋沢栄一(しぶさわ・えいいち)。裏面には、「赤レンガ駅舎」として親しまれた歴史的建造物(重要文化財)の東京駅(丸の内駅舎)が描かれている。つぎに五千円札の表面には、女子英学塾(現:津田塾大学)を創設するなど、近代的な女子高等教育に尽力した津田梅子(つだ・うめこ)。裏面には、古事記や万葉集にも登場し、古くから親しまれている花「フジ(藤)」が描かれている。そして千円札の表面には、破傷風血清療法の確立、ペスト菌の発見のほか、伝染病研究所、北里研究所を創立し後進の育成にも尽力した北里柴三郎(きたさと・しばさぶろう)。裏面には、江戸時代の浮世絵師・葛飾北斎の代表作で知名度も高く、世界の芸術家に影響を与えた「富嶽三十六景(神奈川沖浪裏)」を描いている。
キャッシュレス決済が増え、紙幣を手にする機会も少なくなってきたが、未来の紙幣に描かれるのはどんな偉人だろうか。松下幸之助、稲盛和夫、孫正義、もしかしたら大谷翔平かもしれない。
代表取締役 森 雄一