代表取締役社長 森 雄一
昨年に引き続き、今年も優良工事表彰を受賞することができた。2年連続で2件、まさに快挙である。私たちの成果品は技術・知識・経験をフルに活用し、言い尽くせぬほどの苦悩の末に長い月日をかけてようやく完成するのであるが、表彰という評価はそれらの苦労が報われる最高の瞬間であろう。会社の代表として表彰式に臨んだわけだが、素晴らしい仕事をしていただいた皆さんに心から感謝申し上げたい。
我社では顧客満足度を高めるため、昨年より施工前検討と完成後検証に重きを置いている。全員の力を結集し、より良い仕事にするためのこの取り組みが、確実に成果として表れていると実感できる。表彰を受けるということは並大抵のことではないが、受ける会社とそうでない会社は二極化してきているように感じられる。今回の受賞を機に、さらなる研鑽を重ね、一歩上の建設業へとステップアップしたいものだ。その要素が我社には備わっていると信じている。
代表取締役社長 森 雄一
来月「和食」が世界遺産に登録されるという。①多様な食材を新鮮なまま使用、②コメを中心に栄養バランスに優れた構成、③自然の美しさや季節感を表現、④正月や田植えなどの年中行事と密接に関連、⑤食材や料理法だけではなく、家族や地域の結びつきを強める、といった理由である。「食」を単に空腹を満たすという動物的欲求で片付けるのは野暮というもの、そこから広がる繋がりに想いを馳せながら食欲の秋を堪能したいものだ。
「日本語」も世界に誇れるものの一つだと思う。一つの物事を表すにしても多様な表現の仕方や独特の言い回しなど、文字面という無機質な中にもその人の心情や人生観までもが見えるようで面白い。一方、同じ表現でも世間では「偽装」だ「誤表示」だと騒がしい。まるでどこかの国と見まがうばかりの不祥事に、日本の精神が危ないと感じるのは私だけではあるまい。
代表取締役社長 森 雄一
先月、福光商業会50周年の記念事業として行われた「2932(ふくみつ)街中リレーマラソン」に社内でチームを結成し出場した。1周約2km×15周をリレーするもので、力走した皆さん、応援に駆けつけてくれた皆さんには心から感謝したい。当日は作業服に安全ベスト、ヘルメットを着用し、小道具を持って走るという何とも奇抜なスタイル。遠目からでもひと目で森組と分かるスタイルは、出場チーム中で最もインパクトを与えたと思うし、沿道から「森組頑張れ頑張れ!」と多くの方々の声援をいただけるとは思いもしない喜びであった。
私がこのリレーマラソンへの参加を決めた理由は三つある。一つは「地域を盛り上げるための力になりたい」ということ、二つ目は「会社をアピールしたい」ということ、三つ目は今年のスローガンである「和の力」を高めることだ。当初は気乗りしない者が多かったことも知っているし、単なる私の思いつきだと感じたかもしれない。しかし、あえて参加したのは上記の理由に加え、参加した者にしか得られないものがあるからだ。終了後の慰労会では「楽しかった、また出たい」との声を聞いた時、何かが変わったと確信した。
私のねらい以上の成果をもたらしたリレーマラソン、来年も開催の見込みらしいが、一人でも多くの社員と心をひとつにしたいものだ。
代表取締役社長 森 雄一
朝夕めっきり涼しくなり、盆前までの猛暑がまるで嘘のようだ。稲刈りの香りもかぐわしく、一気に秋の訪れを感じさせている。夏といえば甲子園、今年も熱い戦いや名勝負が繰り広げられたが、富山第一高校の健闘には思わず応援に力が入った。県勢40年ぶりとなる8強入りという堂々の成績である。中でもエースの宮本君は素晴らしいピッチングであり、今大会でも屈指の投手だったと思える。チームの総合力を見ても、優勝も夢ではないと思ったのは私だけではないだろう。
同校の持ち味は自由な野球とのこと。走者が出ればバントで送るといった型にはめると、選手が萎縮して逆に力が出ないという。セオリー通りの確実性か、リスク覚悟の冒険か、指揮官としては大いに悩むところだろう。会社の指揮官としての私も同様の選択に悩むことがある。部門を社員に任せるべきか、あるいは時期尚早か・・・。自信を持って決断するにはやや決定打不足か。
代表取締役社長 森 雄一
今月に入ってようやく梅雨が明け、いよいよ夏本番!といったところで早くもお盆を迎えようとしている。立秋も過ぎ、暦の上では秋・・・月日の経つのはなんと早いものだろうか。盆休という区切りを一年の折り返し地点と見て、前半を振り返ってみたい。
繰越工事が東部小学校耐震工事のおかげで例年よりはるかに多いものの、土木舗装工事がほとんど無く、年明けより7名体制で宮窪建設へ応援。最終的には2月末まで続くことになったが、彼らの献身的な頑張りにより何とか苦境を乗り切ることができ、また先方から高い評価をいただいたことは今後必ず生きてくると確信する。年度末からはほぼ順調に工事を受注することができ、これからまさに最盛期を迎えようとしている。
期間限定と言われている建設業界への好調の波であるが、大事なのはこの波に乗り遅れないことと、波をどう乗り切るかだ。社員全員が頭と身体をフル回転させ、常に先を見据えて先手を打ち、工期の短縮と顧客満足に全身全霊を傾けてほしい。今こそ「個の力を和の力へ」、その先に必ず私たちの幸せがあることを信じて。
代表取締役社長 森 雄一
7月の土用の三番に行われる「ねつおくり」は、五色の短冊で飾った笹竹で稲穂を払い、病害虫の被害を防ぐと共に農作物の豊作を祈る行事であるが、他にも神嘗祭や新嘗祭など五穀豊穣を祝う祭りは数多い。かつて「神の国」発言で退陣に追い込まれた総理もいたが、日本では万物に神が宿っているとされ、見えざる神を畏れ敬う民族であることは言うまでもない。歳を重ねるとその傾向はさらに強くなるようで、私も数年前からは毎朝神棚と仏壇にお参りするようになり、心を浄化する良い時間となっている。
今年の梅雨は雨の少ない日が続いている。現場はその分助かるからいいようなものの、恵みの雨を願う人たちも少なくないだろう。そう言えば、我社には本人も自負する雨男が存在する。それも強烈なのが二人も(笑)。忌み嫌っては大変失礼なので、彼らには「雨降大神(あめふらすおおみかみ)」の称号を与えることにした。そう呼ぶと、途端に有難く感じるから不思議なものだ。社内に神が、しかも二人・・・個性溢れる社員の皆さんが私は大好きだ。
代表取締役社長 森 雄一
まもなく梅雨入りの時期であるが、それを感じさせないほどの好天が続いている。自宅の周りでは今年も蛍が幻想的な光を放っており、昔の思い出などを回想しながらつかの間の癒しに身を委ねている。
政権交代以来、アベノミクス効果による急激な円安株高に始まり、最近は乱高下の繰り返しで実体経済が伴っているのか不安になるほど世界は大きく動いている。当社においては将来の情報化施工に対応するための設備投資など、次から次へと生き残りのハードルが高くなる中で、必死に喰らい付いていかねばらならない現実につい心に余裕を持つことを忘れてしまいそうになる。
蛍の成虫期間はわずか1~2週間だそうだ。ほんの僅かな期間ながら人々の心を和ませ光を放つ姿に、私たちも与えられた人生を懸命にかつ心豊かに生きねばならないと教えられたような気がする。
代表取締役社長 森 雄一
皆さん充実したGWを過ごすことができたでしょうか。世間では多い所は10連休の会社もあるとのことで、そんなに休んでどうするのかとこちらが心配になるほどだ。かく言う私も20代の頃はまだ学生気分が抜け切らず、休みは長ければ長いほど良いと思っていたものだ。大学では夏休みは2ヶ月近くあるのだが、今思うといかに無益な時間を過ごしたものかと後悔する。
「隣の芝は青く見える」という言葉があるが、人間は現状に満足できない欲な生き物らしい。時間が有り余る時は金が無いと言い、社会人になり金銭的余裕ができれば自由な時間が無いと言う。そう考えるとただ時間や金があればいいという単純なものでもなさそうだ。今ある物をいかに活かすか、もしかすると成功者と凡人との違いは、その「使い方」によるのかもしれない。
代表取締役社長 森 雄一
例年よりいささか早い春の訪れに、この号が出る頃は桜もはや散りそめであろうか。厳しい冬を乗り越えた草花が一気に芽吹き、日差しの暖かさに有難さと生きていることを実感する心躍る季節。それはまた、希望に満ち溢れた出逢いと、悲しい別れの季節でもある。
近年は時の経つのがとても早く感じる。そのせいか自分の人生のことよりも、人のため社会のためを強く意識するようになった。「我以外皆我師」とすれば、私は人との出逢いと別れによって多くのことを教えていただいたと感謝している。別れを惜しみつつ、将来への飛躍を胸に誓う。
「薫風に 勝利を託し 眠りゆく」
代表取締役社長 森 雄一
今年は私自身が初老のため、先日は伊勢神宮に参拝してきた。伊勢神宮は日本全国の神社を包括する神社本庁の本宗ということで、当日も全国各地から多くの参拝者が訪れていた。今回は時間が無かったため内宮だけの参拝であったが、宇治橋から御手洗場、皇大神宮、神楽殿など静けさの中に荘厳さと神々しさを随所に感じる、非常に思い出深い参拝となった。また、今年は20年に一度の式年遷宮にあたり、正殿をはじめ建物全てを建て替えると共に、殿内のお装束や神宝を新調する大祭が営まれる。なぜ20年で新調しなければならないのか、これは古来からの建築様式や伝統工芸の優れた技術を守り伝える意味があり、持統天皇以来1300年にわたり続いているという。
私たちの技術も、一朝一夕に受け継がれるものではない。仕事に対する誇りと愛着、改善への向上心と使命感により受け継がれるのだ。公共事業も新しいものを次々と作る公共事業から維持・防災のための公共事業へと変化してきている。守り伝えること、それは私たちや国家にとっても永遠のテーマなのだ。
代表取締役社長 森 雄一