• 代表取締役社長 森 雄一

2013年4月号(vol.48)


例年よりいささか早い春の訪れに、この号が出る頃は桜もはや散りそめであろうか。厳しい冬を乗り越えた草花が一気に芽吹き、日差しの暖かさに有難さと生きていることを実感する心躍る季節。それはまた、希望に満ち溢れた出逢いと、悲しい別れの季節でもある。

近年は時の経つのがとても早く感じる。そのせいか自分の人生のことよりも、人のため社会のためを強く意識するようになった。「我以外皆我師」とすれば、私は人との出逢いと別れによって多くのことを教えていただいたと感謝している。別れを惜しみつつ、将来への飛躍を胸に誓う。

 

「薫風に 勝利を託し 眠りゆく」

 

代表取締役社長 森 雄一

2013年3月号(vol.47)


今年は私自身が初老のため、先日は伊勢神宮に参拝してきた。伊勢神宮は日本全国の神社を包括する神社本庁の本宗ということで、当日も全国各地から多くの参拝者が訪れていた。今回は時間が無かったため内宮だけの参拝であったが、宇治橋から御手洗場、皇大神宮、神楽殿など静けさの中に荘厳さと神々しさを随所に感じる、非常に思い出深い参拝となった。また、今年は20年に一度の式年遷宮にあたり、正殿をはじめ建物全てを建て替えると共に、殿内のお装束や神宝を新調する大祭が営まれる。なぜ20年で新調しなければならないのか、これは古来からの建築様式や伝統工芸の優れた技術を守り伝える意味があり、持統天皇以来1300年にわたり続いているという。

私たちの技術も、一朝一夕に受け継がれるものではない。仕事に対する誇りと愛着、改善への向上心と使命感により受け継がれるのだ。公共事業も新しいものを次々と作る公共事業から維持・防災のための公共事業へと変化してきている。守り伝えること、それは私たちや国家にとっても永遠のテーマなのだ。

 

代表取締役社長 森 雄一

2013年2月号(vol.46)


「鳴かぬなら殺してしまえホトトギス」、「鳴かぬなら鳴かして見せようホトトギス」、「鳴かぬなら泣くまで待とうホトトギス」、これは織田信長、豊臣秀吉、徳川家康という3人の戦国武将の生き様や性格を表した有名な俳句であることは皆さんもご存知だろう。子供の頃は何となく豊臣秀吉が好きだった。それぞれの生き様や偉業を理解してのことではなく、ただ漠然と当時の大河ドラマか何かの影響でそうなったのだろう。では今あらためて選ぶとしたら・・・やはり豊臣秀吉だろう。三つ子の魂百までと言うが、単に成長していないということなのだろうか(笑)

私達は今、現実を直視しなければならない時代に生きている。「結果よければ全て良し」の良き時代はとうの昔の出来事で、自らが変わろうとせず合わないものを全て排除することや、ただ問題が過ぎ去るのをじっと待っているほどの余裕はどこにも無い。現実を受け止め、また自分に正面から向き合い、物事を確実に前へと進めるプロセス、実行力が必要なのではないだろうか。

政権交代により、業界には追い風が吹きはじめている。仕事を進める中で、様々な問題や乗り越えねばならない壁もあるだろうが、途中で諦め投げ出したり、誰かが何かしてくれるのを待っていたりするだけでは進まない。逃げない覚悟とやり遂げる勇気で、次々に仕事を進めることができる者だけが追い風に乗れるのだ。

 

代表取締役社長 森 雄一

2013年1月号(vol.45)


新年明けましておめでとうございます。穏やかな新春を社員の皆様と共に迎えることができたことを大変嬉しく思います。

今年の箱根駅伝を制した日体大は、昨年のこの大会で繰り上げスタートにより襷が途切れ過去最低の19位に低迷、予選会から掴んだ見事な総合優勝である。昨年の悔しさを忘れないように寮の食堂に途切れた襷を飾り雪辱を期したこの一年、優勝候補にすら挙がらなかった彼らの強い精神力とチーム力に心からの賞賛を送りたい。

昨年は当社も大変悔しい思いをした一年であった。「悔しさ無くして反省無し、反省無くして成長無し、成長無くして幸福無し」を胸に、個人のレベルアップはもちろんのこと、会社全体の底上げを図る一年にしていこう。個人的には初老を迎えることとなったがまだまだ人生半ば、皆さんと共に成長し続けることを年頭に誓う。

 

代表取締役社長 森 雄一

2012年12月号(vol.44)


先月は嬉しい知らせが立て続けに飛び込んできた。昨年、当社が施工した2件の工事において「富山県建設優良工事表彰 農林水産部長賞」、「砺波土木センター管内優良土木工事表彰 良賞」を受賞したのである。2007年に表彰を受けて以来5年ぶりの表彰であり、しかも2件というのは快挙であり、工事に携わった方々を心から讃えたい。

現在の入札制度は、価格だけでなく技術力等を総合的に評価して落札者が決定する仕組みとなっており、表彰の実績は今後2年間とても大きな強みとなる。表彰に限ったことではなく、良い仕事をする、喜んでいただける仕事をすることは私たちが永遠に追求するテーマである。そのポイントは「何を目的とした仕事か、発注者は何を望んでいるか」であり、それには相手の立場になって考える、相手を思いやる気持ちが必要なのではないだろうか。決して自己満足に陥ること無く、プロとしての自覚を持って「志事」に取り組んでいこう。

 

代表取締役社長 森 雄一

2012年11月号(vol.43)


石原慎太郎氏が東京都知事を辞任、新党を立ち上げ、国政に復帰するという突然のニュースに大変驚いた。これまでも国政復帰を取り沙汰され、世論調査でも総理大臣にふさわしい人物として常に注目を浴びる度に周囲を煙に巻いてきたが、何故このタイミングなのか、真意はどこにあるのか、国を救う救世主となるのか、はたまた単なる「暴走老人」に終わるのか、興味深いところである。

私がとても印象に残ったのは、高齢であることに問題はないかという記者の質問に、「まさにもう80歳ですよ。いつまで私にこんなことをさせるんだ。もっと若い人達がしっかりしてくれよ!」とまくし立てた一幕。政治の世界に限った事ではなく、人間は誰しもが老い、次の世代がまた歴史を繋いでいく事の繰り返し、悲しくもこれが自然の摂理である。

だからこそ私は自問する。私達は今を生きる人間として、また会社・地域・家庭を担う責任世代として、はたしてその責任を果たせているだろうか。今を生きるだけでなく、次世代にも胸を張って誇れるだけの事が出来ているだろうか。80歳を過ぎてなお現役の方もいるならば、今以上に私達自身が奮起すべきではなかろうか、安心して全てを任せてもらえるように。

 

代表取締役社長 森 雄一

2012年10月号(vol.42)


厳しい残暑も終わりを告げ、ようやく秋らしくなってきた今日このごろ、蕎麦打ちに加えて読書が趣味の私が最近読んでいるのは、「三国志(吉川英治著)」全8巻の大作である。ご存知の方も多いと思うが、舞台は約2000年前、中国は後漢の代。政治の腐敗はその極に達し、各地にはびこる黄巾賊と役人の専横に民衆の生活は目をおおう惨状を呈していた。世を憂う一青年劉備が仲間と共に義盟を結び、世を救うため起ち上る。以来100年の治乱興亡に展開する壮大な世紀のドラマである。

ここから学ぶのは、何のために戦い、勝つために何が必要か、人の上に立つには何が必要か、世を治めるには何が必要かという「帝王学」である。自分に置き換え反省と自戒を繰り返しながら読んでいるが、大切なものは2000年前も今もさして変わりはないようだ。時は違えど今も激動の時代、志高く、目的を見失うことなく歩んでいこうではないか。

 

代表取締役社長 森 雄一

2012年9月号(vol.41)


猛暑が続いた今年の夏。社員の皆さんには連日本当によく頑張っていただいたと感謝しています。夏と言えば、私にとっては毎年関わっている「となみ野100km徒歩の旅」であるが、今年はこの事業を支えるスタッフとして、齋藤君・山本君に参加してもらった。狙いは「人の為に何かを行なう奉仕の心を育むこと」、「同世代よりむしろ年下の学生スタッフの中で、自分の足りない部分に気付き、互いに磨き合うこと」、「自ら積極的に考え、行動できる人間になること」、「社会人基礎力を身に付けること」、「自らの限界に挑戦すること」であり、決して単なるボランティアなどではなく、基本方針にもある人材育成のためである。彼らには5月から週末のほとんどを研修に費やしてもらい、また現場にも迷惑を掛けることになった。二人にはもちろん、協力してくれた皆さんに感謝したい。

ところで、その成果はどうだったかって?それは今後の彼らを見ていてほしい。この事業で何を感じ、それをどう活かすかは本人次第なのだから。社長としては、生きる力溢れる人間へと成長するきっかけになれば幸いである。

 

代表取締役社長 森 雄一

2012年8月号(vol.40)


先日、10年後に生き残る会社はどう変わらなければならないかという講演を聞いた中で、興味深い部分があったので紹介する。

 

キーワード 請負時代(今まで) 市場創出時代(今後)
営業 受注 売る(企業能力)
人材 素直 素直+創造力
リーダー 無言実行も可 有言実行
管理者 実務的業務 マネジメント
組織 個人 チーム(組織)
コスト、利益 結果 創りこむ
賃金 年功 成果
組織風土 重厚 明るさ、スピード
コンプライアンス 形式的 法令遵守徹底
マナー 気にしない 率先あいさつ
情報 1人、1人 共有
能力 知識、腕前 知恵、腕前
活動 既存、前例 新規、トライ

 

果たして我社は、10年後に生き残っているだろうか。「新たな道を切り拓け~慢心に未来無し 危機感が会社を救う~」

 

代表取締役社長 森 雄一

2012年7月号(vol.39)


今年もはや半年が経過した。月日の流れは本当に早いもので、最近は私の人生もこの調子であっという間に終わりを迎えるのではないかという危機感のようなものを覚えるようになってきた。この世に生まれ、何を残していくのか、自分の使命とは何かを考えるこの頃である。

先日から社員とのヒアリングを行ない、目標に対する進捗などを確認したわけだが、「期限を守る」という目標を掲げるケースが多い。時間を守りなさいとは子どもの頃からよく言われた事であるが、このあたりまえの事が大人になってもなかなか守れないのだ。期限を過ぎてしまうのは信用を失い問題外だが、同じ期限を守るにも相手の受け止め方は大きく異なるものだ。期限ギリギリは滑り込みセーフなのであるが、相手からすれば「あたりまえ」でしかない。これが期限より数日前だと、相手にとっては「満足」となる。さらに相手が予想もしないぐらい早く行なうと「感動」になる。

いずれも同じ「期限を守る」ことだが、この違いは何だろう。顧客満足とは、相手の予想を上回ることで「満足・感動」へと昇華するのだ。決して大それた事ではない、ほんの些細な心掛けが相手をうならせる、そんな仕事をしたいものだ。

 

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