• 代表取締役社長 森 雄一

2012年10月号(vol.42)


厳しい残暑も終わりを告げ、ようやく秋らしくなってきた今日このごろ、蕎麦打ちに加えて読書が趣味の私が最近読んでいるのは、「三国志(吉川英治著)」全8巻の大作である。ご存知の方も多いと思うが、舞台は約2000年前、中国は後漢の代。政治の腐敗はその極に達し、各地にはびこる黄巾賊と役人の専横に民衆の生活は目をおおう惨状を呈していた。世を憂う一青年劉備が仲間と共に義盟を結び、世を救うため起ち上る。以来100年の治乱興亡に展開する壮大な世紀のドラマである。

ここから学ぶのは、何のために戦い、勝つために何が必要か、人の上に立つには何が必要か、世を治めるには何が必要かという「帝王学」である。自分に置き換え反省と自戒を繰り返しながら読んでいるが、大切なものは2000年前も今もさして変わりはないようだ。時は違えど今も激動の時代、志高く、目的を見失うことなく歩んでいこうではないか。

 

代表取締役社長 森 雄一

2012年9月号(vol.41)


猛暑が続いた今年の夏。社員の皆さんには連日本当によく頑張っていただいたと感謝しています。夏と言えば、私にとっては毎年関わっている「となみ野100km徒歩の旅」であるが、今年はこの事業を支えるスタッフとして、齋藤君・山本君に参加してもらった。狙いは「人の為に何かを行なう奉仕の心を育むこと」、「同世代よりむしろ年下の学生スタッフの中で、自分の足りない部分に気付き、互いに磨き合うこと」、「自ら積極的に考え、行動できる人間になること」、「社会人基礎力を身に付けること」、「自らの限界に挑戦すること」であり、決して単なるボランティアなどではなく、基本方針にもある人材育成のためである。彼らには5月から週末のほとんどを研修に費やしてもらい、また現場にも迷惑を掛けることになった。二人にはもちろん、協力してくれた皆さんに感謝したい。

ところで、その成果はどうだったかって?それは今後の彼らを見ていてほしい。この事業で何を感じ、それをどう活かすかは本人次第なのだから。社長としては、生きる力溢れる人間へと成長するきっかけになれば幸いである。

 

代表取締役社長 森 雄一

2012年8月号(vol.40)


先日、10年後に生き残る会社はどう変わらなければならないかという講演を聞いた中で、興味深い部分があったので紹介する。

 

キーワード 請負時代(今まで) 市場創出時代(今後)
営業 受注 売る(企業能力)
人材 素直 素直+創造力
リーダー 無言実行も可 有言実行
管理者 実務的業務 マネジメント
組織 個人 チーム(組織)
コスト、利益 結果 創りこむ
賃金 年功 成果
組織風土 重厚 明るさ、スピード
コンプライアンス 形式的 法令遵守徹底
マナー 気にしない 率先あいさつ
情報 1人、1人 共有
能力 知識、腕前 知恵、腕前
活動 既存、前例 新規、トライ

 

果たして我社は、10年後に生き残っているだろうか。「新たな道を切り拓け~慢心に未来無し 危機感が会社を救う~」

 

代表取締役社長 森 雄一

2012年7月号(vol.39)


今年もはや半年が経過した。月日の流れは本当に早いもので、最近は私の人生もこの調子であっという間に終わりを迎えるのではないかという危機感のようなものを覚えるようになってきた。この世に生まれ、何を残していくのか、自分の使命とは何かを考えるこの頃である。

先日から社員とのヒアリングを行ない、目標に対する進捗などを確認したわけだが、「期限を守る」という目標を掲げるケースが多い。時間を守りなさいとは子どもの頃からよく言われた事であるが、このあたりまえの事が大人になってもなかなか守れないのだ。期限を過ぎてしまうのは信用を失い問題外だが、同じ期限を守るにも相手の受け止め方は大きく異なるものだ。期限ギリギリは滑り込みセーフなのであるが、相手からすれば「あたりまえ」でしかない。これが期限より数日前だと、相手にとっては「満足」となる。さらに相手が予想もしないぐらい早く行なうと「感動」になる。

いずれも同じ「期限を守る」ことだが、この違いは何だろう。顧客満足とは、相手の予想を上回ることで「満足・感動」へと昇華するのだ。決して大それた事ではない、ほんの些細な心掛けが相手をうならせる、そんな仕事をしたいものだ。

 

代表取締役社長 森 雄一

2012年6月号(vol.38)


そこには何も無かった。本当に何も無かった。僅かに原形をとどめているもの、ここは一体・・・そうか、駅のプラットホームだ。今はもう線路すら無く、かつては賑わいを見せていたであろう駅周辺は、建物の基礎だけが剥き出しになり、ここに街が存在していたという面影すら無い。普段は人々を魅了する穏やかなコバルトブルーの海が、全てを呑み込む魔物へと豹変するなど、誰が想像できただろうか。

 

先月の週末を利用して、震災復興ボランティアのため岩手県大槌町へ赴いた。恥ずかしながら震災以来、初めての被災地入りで、報道では徐々に復興へと向かっているとはいうものの、未だに何も無いこの地に再び街が形成されるのだろうかと思うと、復興への道のりは果てしなく遠いことを実感した。

一人の力は微力だ。だが、それを結集すれば想像をはるかに超える力を発揮する。ゼロから、いやマイナスからの出発に心が折れそうになるが、今この世にあるものは全て人間の手により創られたもので、それだけの力が私たちにはある。自分に何ができるのだろうか、直接的であれ間接的であれ、逃げずに向き合うことだ。いつの時代も未来を切り拓くのは、今を生きる私たちの使命なのだ。

 

代表取締役社長 森 雄一

2012年5月号(vol.37)


新緑が眩しい季節になりました。連休中には3日に井波のよいやさ祭り、5日は城端の曳山祭りを訪れ、目も心も十分堪能させていただいた。平成の大合併により南砺市が誕生し7年半が経過するが、地域の祭事などに触れると改めて各地域の歴史や文化を感じるのである。私の地元にも獅子舞があるが、少子化による踊り子の不足、若者の転出による獅子方の不足などの問題を抱えながらも、伝統文化を自らの身体や潜在意識の中に刻み覚え、次世代へと継承していくのである。

マニュアル型人間が多くなったと言われて久しい。自ら考えることをせず、言われた事や決められた事だけをしようとするタイプだ。確かにマニュアル通りにやれば失敗は少ないだろうが、そこには独創性も進歩も無く、マニュアルの風化と共に退化していく。マニュアルも大事だが、伝統文化がそうであるように、まずは心と身体で学び、新しい技術を繋いでいこう。

 

代表取締役社長 森 雄一

2012年4月号(vol.36)


春は別れと出逢いの季節、先日は当社で永年に渡り多大な功績を遺された得永部長が退職された。とはいえまだ63歳、年齢的にも体力的にもまだまだ第一線で活躍できる方であり、大幅な戦力ダウンとなることは否めない。この穴をいかに埋めるかということになるが、その答えは残された私たちで埋めるしかないのである。私自身、得永部長を頼りにし、任せていた部分も多分にあり、退職の意向を聞いた時の動揺はとても大きく、これからのことを考えると不安ばかりが募ったものだが、そんな私を勇気付けたのが今年のスローガンである。

 

「いつまでも甘えていては自立しない、今のままで良いと思えば慢心に陥る、この危機を乗り越えるからこそ未来が拓ける、ならば敢えて苦しいいばらの道を歩もう、新たな道を切り拓くために」

 

得永部長の新たな人生に幸多からんことを願うとともに、想いを受け継ぎ、新たな森組の出発点とすることをここに誓う。

 

代表取締役社長 森 雄一

2012年3月号(vol.35)


先日JCの例会で、石川県羽咋市役所の職員である高野誠鮮氏の講演「超ぶっとんだ発想~型破りなまちづくり~」をお聴きした。氏は高齢化率54%の限界集落を3年間で47%に下げ、地域で収穫された米をローマ法王に献上することで一挙にブランド化させるなど、まさに「超ぶっとんだ発想」で地域の活性化に成功している「スーパー公務員」としても名高い方である。講演を聴いていればなるほど型破りで、前例踏襲、波風を立てず平穏無事、融通利かずの縦割り行政・・・といったいわゆる「お役所人間」とは違い、自身に課せられた使命であるふるさと振興に本気で取り組んでいるのである。

行なっていることはまさに「超ぶっとんだ発想」なのだが、机上の論理だけで出来もしない奇想天外な発想をしているのではなく、その裏には発想を実現するための緻密な情報・データ収集、失敗事例の徹底した検証、成功するための仕掛けづくりが二の矢、三の矢と用意されていることに驚かされた。

どのような時に発想が生まれるのかと問われ、氏は答える。「一日24時間、寝ている間も本気になれば発想は自ずと生まれる、あとは誰もが無理だと思う事でも、可能性が1%でもあれば挑戦し、行動することが成功の秘訣である」と。

 

代表取締役社長 森 雄一

2012年2月号(vol.34)


ダルビッシュ有投手(25)の米メジャーリーグへの移籍が決まった。日本のプロ野球界において数々のタイトルを獲得し、防御率5年連続1点台という驚異的な記録を持つ彼は、誰もが認める球界のエース、日本の至宝と言っても過言はないだろう。彼は以前、「メジャーには興味が無い。メジャーに行くぐらいなら野球を辞める」と発言していたが、何が彼をそうさせたのだろうか。帰国しての移籍会見で彼は「勝負がしたかったが、今の日本では勝負の前から相手が諦めてしまい、その環境にない。自分の野球に対するモチベーションを保つために環境を変える必要があると感じた」という内容の発言をしている。

このまま日本でプレーを続ければ、名誉や地位、そして金銭的にも何一つ不自由することはなかったであろう。しかし彼はそれらを捨て、海を渡る決心をした。更なる高みを求め、それに挑戦しつづける姿に感動と敬意を覚えた次第である。

「新たな道を切り拓け」こんなエールを彼に贈るとともに、私たちへの叱咤激励にしようではないか。

 

代表取締役社長 森 雄一

2012年1月号(vol.33)


新年明けましておめでとうございます。ご家族の皆様ともども健やかに新春を迎えられましたこととお慶び申し上げます。

毎年正月の楽しみである箱根駅伝。ここ近年の注目は何と言っても東洋大学4年の柏原竜二選手である。箱根駅伝最大の難関である5区の山登りを4年間に渡り走り続け、1年生時にはそれまでの記録をあっさり塗り替える区間新記録、2年生時は自身の記録を破っての区間新記録、3年生時は昨年の記録には届かなかったものの区間賞、そして最後の箱根駅伝となる今年は驚異的な記録で区間新記録を更新した。「昨年の自分の記録を1秒でも上回る」という彼の姿勢には頭の下がる思いである。ではチームとして考えたらどうだろうか、このような絶対的な存在が故に、近年の東洋大学は「柏原頼み」の感が拭えず、昨年はわずか21秒差で総合優勝を逃してしまった。この悔しさをバネに選手一人ひとりがレベルアップを図り、「彼を活かしたチーム」へと脱皮した結果が今年の完全優勝に繋がったのだろう。

自分に出来る事は何かを考え、自分の持ち場で最大限の力を発揮すればチームの総合力は必ず上がる。慢心を捨て、新たな道を切り拓いていく一年にしたいものだ。

 

代表取締役社長 森 雄一

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