代表取締役社長 森 雄一
ダルビッシュ有投手(25)の米メジャーリーグへの移籍が決まった。日本のプロ野球界において数々のタイトルを獲得し、防御率5年連続1点台という驚異的な記録を持つ彼は、誰もが認める球界のエース、日本の至宝と言っても過言はないだろう。彼は以前、「メジャーには興味が無い。メジャーに行くぐらいなら野球を辞める」と発言していたが、何が彼をそうさせたのだろうか。帰国しての移籍会見で彼は「勝負がしたかったが、今の日本では勝負の前から相手が諦めてしまい、その環境にない。自分の野球に対するモチベーションを保つために環境を変える必要があると感じた」という内容の発言をしている。
このまま日本でプレーを続ければ、名誉や地位、そして金銭的にも何一つ不自由することはなかったであろう。しかし彼はそれらを捨て、海を渡る決心をした。更なる高みを求め、それに挑戦しつづける姿に感動と敬意を覚えた次第である。
「新たな道を切り拓け」こんなエールを彼に贈るとともに、私たちへの叱咤激励にしようではないか。
代表取締役社長 森 雄一
新年明けましておめでとうございます。ご家族の皆様ともども健やかに新春を迎えられましたこととお慶び申し上げます。
毎年正月の楽しみである箱根駅伝。ここ近年の注目は何と言っても東洋大学4年の柏原竜二選手である。箱根駅伝最大の難関である5区の山登りを4年間に渡り走り続け、1年生時にはそれまでの記録をあっさり塗り替える区間新記録、2年生時は自身の記録を破っての区間新記録、3年生時は昨年の記録には届かなかったものの区間賞、そして最後の箱根駅伝となる今年は驚異的な記録で区間新記録を更新した。「昨年の自分の記録を1秒でも上回る」という彼の姿勢には頭の下がる思いである。ではチームとして考えたらどうだろうか、このような絶対的な存在が故に、近年の東洋大学は「柏原頼み」の感が拭えず、昨年はわずか21秒差で総合優勝を逃してしまった。この悔しさをバネに選手一人ひとりがレベルアップを図り、「彼を活かしたチーム」へと脱皮した結果が今年の完全優勝に繋がったのだろう。
自分に出来る事は何かを考え、自分の持ち場で最大限の力を発揮すればチームの総合力は必ず上がる。慢心を捨て、新たな道を切り拓いていく一年にしたいものだ。
代表取締役社長 森 雄一
橋下徹氏の掲げる「大阪都構想」をめぐる大阪府知事選・大阪市長選のW選挙で、共に「大阪維新の会」の候補者が当選を果たした。かなりの混戦になるのではないかと予想したが、蓋をあけてみると開票率0%で当選確実が報じられるという圧倒的な大差に驚いた。この結果に、今の日本の現状がよく現れているように感じる。
大阪都構想実現の為には、変えねばならないことや乗り越えねばならない壁が多くあり、実現までにはソフト・ハード両面で大きな改革を伴うだろう。日本人はとりわけ大きな変化を嫌い、ソフトランディングを好む傾向にあるが、その中においても敢えて改革派が圧勝したのは、長引く景気低迷や安定しない政権に加え、東日本大震災による不安が相まって、「現状を何とか変えたい・変えてほしい」という国民の心の叫びなのではないだろうか。
変化は常に必要で、問題が起こってからでは手遅れだ。順調な時ほどそれを維持し続けるために変わり続けねばならない。わが社もおかげさまで今年一年を無事に過ごせそうであるが、常に危機感を持って「変わらないために変わる」ことを意識したい。
代表取締役社長 森 雄一
先月、福野高校農業環境科の2年生4名を職業体験として受入れた。彼らにとってはこの体験が職業を選ぶ上での大きなカギを握るだろうから、受入れ側の責任は重大なわけだが、彼らのできる範囲でしかも危険性が高くなく、かつ建設業に対する夢や希望を抱いてもらうにはどうすればよいか、とても頭を悩ませた。5日間の受入れの中で、初日は学生と社会人の違いや何のために働くのかを考えさせ、「仕事へのやりがいや楽しさは人から与えられるものではなく、自分で見つけるもの」であることを意識させた上で2日目からの現場作業へと入ってもらった。現場では当然のことながらL型擁壁のモルタル詰めやVS側溝の目地詰め、ほ場の雑物除去や水路掃除などの地味な作業ばかり。正直、建設業に対してマイナスのイメージを持つのではないかと心配したが、最終日にこの職業体験を通して感じたことや建設業の良さについて発表してもらったところ、私の心配が杞憂であったことに安堵した。彼らは生き生きとしており、地味な作業でも誰かがそれをやらなければ立派な完成品にならないこと、苦しさの中にもやり終えた時の達成感があること、そして社員の皆さんが笑顔で仕事に取り組んでいたことに感銘し、自分たちも楽しんで仕事ができたこと等を発表してくれた。
「やりがいや楽しさは自分で見つけるもの」皆さんのおかげで、どうやら近い将来、夢と希望を持って建設業の道を歩む若者が誕生しそうだ。
代表取締役社長 森 雄一
先日、利賀村において「富山県素人そば打ち段位認定会」が行なわれた。以前に社内報で書いたとおり、今年の2月からそば打ちを始め、今回の認定会で初段を受験した。初段は実技試験のみで、粉をふるいにかけ、水回し、練り、のし、切り、片付けまでを制限時間40分の中で行なわなければならない。この歳になると資格試験を除いては試験を受けることがなく、朝から緊張の連続で試験開始前には心臓が飛び出るのではないかと思うほどで、なにか学生の頃に戻ったような感覚であった。いつもはどんなに頑張っても42分ぐらいの時間を要したが、会場の雰囲気や周りの受験者に引っ張られ、どうにか時間内に終了!これが火事場のナントカ力というものだろうか。結果は見事合格し、晴れて有段者となることができたのである。
ひとつ乗り越えるとまた次に挑戦したくなるものだ。二段、三段・・・とこれからまだまだ精進せねばならない。そうそう、そばを打つだけでなく、つゆの研究もしなければ。やればやるほど面白く、また難しい。そばって奥が深いなぁ。
代表取締役社長 森 雄一
子どもたちと4泊5日で100kmを歩き、生きる力の醸成と限界への挑戦を目的としている「となみ野100km徒歩の旅」、私にとって8回目の100旅が今年も全員完歩で無事終えることができた。事業を支えるのは学生スタッフが中心で、事業本番を迎えるにあたり100時間を超える研修を積んで臨むのだが、この過程での学生スタッフが急激に成長する姿には毎年目を見張るものがある。
研修では学生スタッフがお互いに刺激し合いながら仲間と共に成長するわけだが、研修の中に「船底外し」という、もっと頑張れる人やもっと成長しなくてはいけない人を選ぶものがあり、選ばれた本人はあまりの恥ずかしさと悔しさ、情けなさで涙する場面もある。なぜそんな可哀想なことを・・・と思うかもしれないが、本気でぶつかり、相手の成長を願うからこそ敢えて選び、もっとこうすればどうかというアドバイスから自分に足りない部分や気付かない部分を補うのである。そこには恨みや敵意はなく、あるのはお互いの信頼関係や絆、心から相手を思う気持ちであり、船底を外されたスタッフもアドバイスを素直に受け入れ、選ばれたことに感謝すらできる人間へと成長している。
人が育つ環境とは何か。それは気付いた者が本人の成長を願い注意し合える環境ではないか。完璧な人間などこの世にいない。お互い高め合うことのできる、そんな会社にしようではないか。
代表取締役社長 森 雄一
7月24日正午、テレビのアナログ放送が終了し、地上デジタル放送に移行した。日本でテレビ放送が始まった昭和28年以来、半世紀以上続いたアナログ放送の歴史が幕を下ろし、一つの大きな時代が終わったことを実感せずにはいられない。「デジタル」というと何やら難しく敬遠がちにもなるが、デジタルの世界では簡単に言えば「0」と「1」しかなく、これらの数字の様々な組み合わせ方によってデータを処理することになる(らしい)。こんな単純なことで世の中がますます便利になるのだから、アナログ人間の私としてはますます頭が混乱する(笑)
人間社会はどうだろうか。好きか嫌い、勝つか負けるかのような「0」か「1」では、心休まる時間や他人を思いやること、共存共栄などは成り立たず、生か死かの殺伐とした社会に陥ってしまうだろう。何もかもがうやむやなのも考えものだが、「いいかげん」ならぬ「良い加減」も大切にしたいものだ。
これから仕事も最盛期へと突入する。お盆を中休みとして、後半へ向けてしっかり取り組んでいこう。
代表取締役社長 森 雄一
今年に入ってから、趣味で蕎麦打ちを始めた。大それた理由などなく、ただ好きな時に好きなだけ蕎麦を食べたいと思ったからである。知人のつてを辿り入会したのが「富山そば研究会 城端道場」で、2月に入会して以来、毎週週末に蕎麦を打つのが至福のひと時となっている。
もともと蕎麦打ちの知識や技術があったわけではなくゼロからのスタートのため、先輩方(50代~60代の方が中心で、中でも私はズバ抜けて若い!)にご指導いただきながら悪戦苦闘を繰り返している。知識から入ろうと思っても技術が伴わないし、数を重ねなければ道理が分からない。結局のところ、上達の近道は理屈をこねるより教えを素直に聞き、身体で覚えるしか無いようだ。新入社員も2カ月に及ぶ富士教育センターでの研修を終え、少し逞しくなって戻ってきてくれた。今後は実務の中で立派な技術者に成長してほしいと願っている。
日本には柔道、剣道、茶道など「道」という概念がある。道を窮める(きわめる)のは並大抵のことではないが、素直さと情熱と根気でそこに近づくことはできるはずだ。「蕎麦道」しかり「建設道」もまたしかりか。
代表取締役社長 森 雄一
6月は衣替えの時期、あちこちで涼しげな服装が目に付き夏の到来を思わせる。当社としては数年前からクールビズ、ウォームビズを取り入れ、夏場の冷房は28度、冬場の暖房は20度に設定し、環境に配慮しているところである。
今年は震災での福島第一原発事故を受けて夏の電力供給が滞ることが予想されることから、アロハシャツやジーンズでの勤務も可とする「スーパークールビズ」、さらには短パンやサンダルまでをも可とする「ウルトラクールビズ」が推奨されているが、私はこのことに違和感を覚えずにはいられない。
もちろんこの国難に、国や国民を挙げた取り組みは当然のことであるが、その事によって相手に礼を欠くことがあってはならないということだ。当社で取り組んでいるクールビズなどもあくまでも社内のことであって、お客様や訪問先がどうであるかは別問題であり、TPOをわきまえておきたいものだ。周りに不快感を与えないか、さらには自分のご都合主義になってはいないかを考える必要があるのではないか。今一度、わが身を振り返ってみよう。
代表取締役社長 森 雄一
先月より新入社員が2名入社した。新卒での採用は焼田君以来3年ぶりとなる。彼らは見るからに若々しく、社内に新たな風を吹き込んでくれることだろう。
一週間に及ぶ新入社員研修の中で、彼らに社会人としての心構えや会社の方針を説き、また考えさせるわけだが、それだけで立派な社員になるわけでもなく、研修は単なるきっかけにすぎず、ある意味種まきのようなものだ。私の持論ではあるが、せっかく生を受けたならば人間は一生成長する努力をしなければならないと思っている。歳を重ねるごとに衰えるのは承知の上であるが、私の言う成長とは単に肉体的や能力的に限ったことではなく、心の成熟もそれに当たる。まだまだ未熟な私が言うのも憚られるが、人生の大半を仕事に従事するならば、その仕事や会社を通じて人間的成長に繋げなければならないし、そこへ社員を導くのも経営者の責任であると思う。
肥沃な土壌に実りがあるように、我社も人が育つ企業風土でありたい。その風土を作るのはあなたであり私自身である。私もまだ人生半ば、皆さんと共に成長していきたい。
代表取締役社長 森 雄一