代表取締役社長 森 雄一
ようやく梅雨明けしたかと思えば一転して真夏日が続き、夏本番を実感する。今年の梅雨明けは昨年より15日遅いが平年並みだそうで、いかに昨年が長い夏であったのかを物語っている。昨年支給した空調服がとても効果的との事だが、暑い中、現場で頑張っている皆さんには、くれぐれも熱中症に注意して仕事にあたってもらいたい。
招致が決定した時はまだまだ先の事だと思っていた東京五輪も開催まで1年を切った。夏季五輪とはいえ、近年の猛暑を考えると、もう少し涼しい時期に開催できないものだろうかと思う。IOCでは夏季五輪開催日を7/15〜8/31の間に設定することを大前提としており、これは欧米のテレビでの放送時間を多く確保するためとのこと。放映権などの裏事情も分からないではないが、選手や観客を含めた安全を第一に考えてほしい。選手が安心して最高のパフォーマンスを出せる環境を整えてこそ、記録と記憶に残る大会になるのではないだろうか。環境と成績との相関関係は何もスポーツの世界だけではなく、私たちの職場環境にも当てはまることだろう。様々な面から働き方改革を考えていかねばならない。
代表取締役社長 森 雄一
先月実施した社員旅行、今年は名古屋方面ということで、現存する日本最古の木造天守の犬山城、木曽川を遊覧しながらの昼鵜飼い鑑賞、童心に帰って謎解きを楽しんだ明治村、トヨタの工場見学等、仕事を離れて社員の皆さんと過ごした時間は、とても有意義なものであった。中でも印象に残ったのはトヨタの工場見学で、随所に代名詞である「改善」が見て取れた。トヨタにとって「改善」は会社経営の根幹であり、無限の可能性を持っている人間の力を最大限に活かすため、知恵を絞って現状を常により良い方向に改善するという風土がしっかりと浸透しており、社内には次のような言葉が語り継がれているという。
「会社には仕事に行くのではなく、知恵を出しに行くのだ」(常に現場では知恵を求められる)
「ムダな仕事をさせることは、その人の人生をムダにすること」(部下の能力を最大限に引き出すことが、上司の役割)
「仕事とは、作業+改善である」(決められたことをやるだけ(作業)では、仕事とは言えない)
なるほど、頷けることばかりである。世界のトヨタだから改善ができるのではなく、改善の重要性を創業期から徹底して突き詰めてきたからこそ、世界のトヨタになり得たのだ。常に知恵を絞ってより良い方向に改善すること、私たちも見習っていこうではないか。
代表取締役社長 森 雄一
「朝ドラ」の愛称で親しまれるNHKの連続テレビ小説が、来春から月〜金曜の週5日に短縮されるという。長時間になりがちな制作現場の負担を減らすのが大きな理由らしい。働き方改革がこんな所にまで及ぶのかと驚いた。今や企業において働き方改革は避けては通れないもので、4月より義務化となった年5日の有給休暇取得義務や工事現場における週休二日制度の施行、ICTの活用による省力化等も、全てこの働き方改革によるものだ。
1974年に発刊され、当時社会現象を起こした「ユダヤの商法(著:藤田田)」には、「向こう(ユダヤ人)が週5日働くなら、うちは6日働く、という考えは間違っている。そんな考えでは絶対外国人相手に商売などできない。5日働いてペイできないような商売ならサッサとやめた方が賢明だ」と言っている。これを今ではなく半世紀近くも前に指摘しているのだから頭が下がる。我が社も乗り遅れる事なく働き方改革に取り組んで行くが、並行して取り組まねばならないのが生産性向上だ。常に問題意識を持って仕事に取り組み、より良い方向へと進むその先に、社員の幸福が待っている。
代表取締役社長 森 雄一
平成から令和へと、新しい時代が幕開けした。202年ぶりとなる譲位を全国民で祝福できるようにと、初となる10連休で迎えたわけだが、その盛り上がりは想像以上であったように思う。昭和から平成への移り変わりは天皇陛下の崩御により新元号を迎えるという、悲しみと希望が入り混じる複雑な心中であったが、今回の皇位継承は旧天皇皇后両陛下に対する感謝と敬意の気持ち、そして新天皇皇后両陛下への期待と祝福に満ち溢れ、誰しもが幸せな気持ちで迎えることができたのではないだろうか。全国民が一つになれる、まさに象徴天皇としての姿に、深い感銘と感動を覚えずにはいられない。
さて、新しい令和の世はどのような時代になるのだろうか。永く平和な時代が続く事を願うばかりだが、我が社にとっては大きな進化を遂げ、飛躍する時代としたい。私たちは未だ発展途上で、日々研鑽を積む事によって成長の芽を伸ばしていかなければならない。「モノづくりは人づくりから。」謙虚に自らを省み、相手を認め思いやり、互いに切磋琢磨できる、人を育む企業こそが、令和の時代に飛躍を遂げる事ができるのだ。
代表取締役社長 森 雄一
皇太子さまの新天皇即位まで1ヶ月となった4月1日、新元号が「令和」に決定した。現存する日本最古の歌集である万葉集が由来で、「人々が美しく心寄せ合う中で文化は花開く」という意味が込められているという。近現代において初めて戦争を経験せぬ時代であった平成から、はたしてどのような時代となるのであろうか。責任世代である私たちが時代を引っ張っていく気概を胸にしつつ、心静かに歴史的な皇位継承を見届けたいものだ。
このようなお祝いムードもつかの間、政府は他の候補や考案者については公表しないこととしていたが、翌日の報道では早々に6つの原案が報じられた。政府は今回、情報管理を徹底していたはずなのに、何故このようにいとも簡単に漏洩してしまうのだろうか。「人の口に戸は立てられぬ」と言うが、これで国家機密や国益を守れるのか、そこにはガバナンスの欠如があるのだろうと思う。
国家においても企業においても、組織はガバナンス(統治)が重要である。統治というと何やら鎖でがんじ絡めにされて自由を奪われるようなイメージがあるかもしれないが、ガバナンスにより社会規範や制度が形成され、結果として組織の価値を高めていくのである。「人の振り見て我が振り直せ」、我が社のガバナンスはどうであろうか。
代表取締役社長 森 雄一
来日して1ヶ月間の研修を終え、第2次技能実習生であるチュン君が現場配属となった。彼らの仕事ぶりは第1次生の2名で実証されているとおりであり、どうか一日でも早く仕事を覚える事ができるよう、社員の皆さんにはしっかりとした指導をお願いしたい。彼らに驚かされるのは何と言っても日本語習得の早さである。第1次生は来日して7ヶ月、第2次生は来日してわずか1ヶ月、来日前に半年間の語学研修を受けているとはいえ、最も難しいとされる日本語をわずかの期間で習得するのは並大抵の事ではないだろう。情けない事に、私は英語を中学から大学まで10年間勉強したが英会話など全くできないし、例え海外に移り住んでもそんな短期間で会話ができるとは全く思えない。彼らと私たちで一体何が違うのか、それは必ずやり遂げるという並々ならぬ覚悟だろう。まだ若いが、彼らの姿から学ばなければならないと感じる次第である。
先日、25年前に中国から研修生として我が社に来ていた蒋(しょう)さんが訪問団として来日し、会う機会を得た。彼曰く、「たった2年間だったが、今の自分があるのは森組のおかげであり、福光は第2の故郷のように愛着がある」と、本当に感謝してくれた。今の実習生達も、我が社での仕事を機会として素晴らしい人生が拓ける事を願っている。
代表取締役社長 森 雄一
横綱稀勢の里がついに引退した。引退会見で見せた涙には、日本出身横綱として期待を一身に背負った重責、怪我の影響で思うように力が出せないもどかしさ、ファンに復活した姿を見せたいという責任感、様々な思いが滲んでいたように思う。「私の土俵人生に一片の悔いもありません」との言葉は、これでダメなら仕方がないと思えるだけの血の滲むような努力をしてきたからこそ言えるのだろう。先代の師匠からは「横綱になると見える景色が違う」と言われ、その景色を見ようと必死に稽古を重ねてついに掴んだ横綱の座。しかしながら、先代の見ていた景色は見えなかったと残念がった。
私はかねてからサマーチャレンジに関わる学生スタッフに、「2年目、3年目、4年目の景色を見て欲しい」と言ってきた。自分が成長するにつれて、同じ研修を受けていても違った角度で物事を捉える事ができ、新たな気づきを得られるからである。真剣に取り組むからこそ見える事、感じる事があり、それが自己の成長に繋がるのだ。
稀勢の里は中学の卒業文集で「努力で天才に勝ちます」と綴ったという。社員の皆さんも今年の目標が決まり、それに向かって逃げずに突き進んで欲しい。有言実行できた時、きっと今までの自分を超える事ができるはずだ。そこにはどんな景色が見えるだろうか。
代表取締役社長 森 雄一
穏やかな新年を社員の皆さんと共に迎えられたことを嬉しく思います。
今年の干支は「己亥(つちのと・い)」で、己は土すなわち大地を、亥は水を意味し、大地の下に激しい水の流れが潜んでいる様を表すそうで、流動的で変化の多い年であり、とても不安定で予測のつかない年になるとの説もあります。こう言えばマイナスのイメージがありますが、大地と水は生命を育む源であり、新しい芽が出る希望に満ちた年であるとも言えます。今年は天皇陛下のご退位や改元、消費増税など大きな変化が控えていますが、私たちはどのように時代を乗り切っていくのでしょうか。
私たちには経営理念にある通り、「社会貢献・企業の永続的発展・社員の幸福」を実現する使命があります。この使命を決して綺麗事や絵に描いた餅に終わらせず具現化するという決意を込めて、スローガンを「有言実行 すべては未来のために」としました。目標が高いほど達成した時の喜びは大きいでしょう。私たちに関わるすべての人たちの輝かしい未来のために、全社員が一丸となって高みを目指していきましょう。
代表取締役社長 森 雄一
今年も残り3週間となり、除夜の鐘が近づいてきたからでもなかろうが、連日「ゴーンゴーン」と耳にする。言わずもがな、日産自動車の前会長、カルロス・ゴーン容疑者の報酬過少記載事件だ。過少記載の総額は計8年間で約90億円に上るそうで、あまりにも現実離れした金額に私の頭が追いついて行かない。
ゴーン容疑者は1999年に苦境にあえぐ日産にルノーから送り込まれ、コストキラーの異名で「日産リバイバルプラン」を作成、短期間で奇跡のV字回復に導いた経営者である。その経営手腕は世界から称賛され、2001年に発行された著書「ルネッサンス 再生への挑戦(発行:ダイヤモンド社)」はたちまちベストセラーとなり、かく言う私も経営のヒントがないものかと読みふけったものだ。それだけに、今の地に落ちた姿が残念でならない。「衣食足りて礼節を知る」と言うが、足り過ぎは人を変えてしまうのだろうか。「過ぎたるは及ばざるがごとし」、「腹八分目」の教えのとおり、少し足りないくらいがちょうど良い。時節柄、年末ジャンボ宝くじに願を掛ける人も多いだろうが、当たらないほうが身のためですよ。
代表取締役社長 森 雄一
憧れのプロ野球への切符を手にするのは誰か。今年も大物新人の行方が注目されたプロ野球ドラフト会議が行われた。以前は度々入団拒否する選手がいたものだが、最近はFA制度やポスティング導入の影響もあってか、「12球団どこでもOK」という選手が多いように感じる。生涯一球団の美学はとうの昔の話で、どこの球団であれ実績を積んで次のステージへと進むほうが選手の価値が上がるというものだ。とはいえ、本人にとっては指名があるのか無いのか、どこの球団になるのか、その瞬間までは気が気でないだろう。自分の進路を自分で選択できないという、一般人ではほぼ経験する事の無い、特異な世界である。
私たちは日々、多くの選択をしながら生きている。何をするか、何を食べるか、誰と付き合うか、どの会社に入るか・・・全てが自分の思い通りにはならなくとも、自分の意思で動いている。このように自分の考えを持つ事はとても大事な事だが、時にそれがワガママになったり、我が強くなったりするので注意が必要だ。人は独りでは生きていけず、周りによって生かされている。人の声に耳を傾け、多様な価値観を柔軟に受け入れる事のできる人でありたいものだ。
代表取締役社長 森 雄一