• 代表取締役社長 森 雄一

2019年12月号(第128号)


 山々も次第に白くなり、いよいよ冬の到来である。今シーズンの雪がどの程度か分からないが、除雪担当の皆さんには体調を整えて地域貢献のために頑張っていただきますようお願いします。

 今月よりスマートフォンなどを使用しながら車を走行させる「ながら運転」について、違反点数と反則金を引き上げ、懲役刑も重くするなど厳罰化した改正道路交通法が施行された。「携帯電話使用等(保持)」の違反点数が1点から3点に、「携帯電を使用等(交通の危険)」では2点から即免許停止となる6点に引き上げられている。反則金も従来の約3倍、新たに懲役刑も加わったことから、携帯電話使用による事故撲滅に本気で取り組んでいく姿勢が伺える。日常生活や勤務時間において、もはや携帯電話は無くてはならないツールであるが、事故や免許停止によるリスクを考えると、「ついうっかり」という言い訳は許されないだろう。くれぐれも運転中は絶対使用しないようお願いしたい。

 今年もあと残りわずか。平成から令和へと移り変わった歴史的な年を、皆さんと共に笑顔で締めくくれることを願います。

 

代表取締役社長 森 雄一

2019年11月号(第127号)


 今月より、現場における事故発生リスクを抑えることを目的として、毎朝のアルコールチェックを行うこととした。建設業においては大型車両や重機を運転することから、事故発生時は重大災害に繋がりやすく、そのリスクは被災者や加害者、そして会社にとって計り知れないダメージとなることは想像に難くない。私自身、長年の懸案であったこの問題に目をそらさず向き合う決心ができたのも、社員と会社を守らねばならないという責務からだ。どうか社員の皆さんにはこの思いを率直に受け止めてほしい。

 ではどの程度にお酒をとどめておくのが良いのだろうか。道路交通法において酒気帯び運転の基準値となる呼気中アルコール濃度は0.15mg/L、これはビール中瓶1本、日本酒1合、焼酎0.6合に相当し、これを1単位と言う。このアルコールが体内から消えるまでには、1単位で約4時間、2単位で約7時間、3単位で約10時間、4単位で約13時間とのこと。もちろん個人差があるためあくまでも目安であるが、大人にとっての楽しみの一つであるお酒を、上手に健康にたしなみたいものだ。

 

代表取締役社長 森 雄一

2019年10月号(第126号)


 2020年春にサービス開始を予定している次世代ネットワーク「5G」。TVや新聞でも度々目にするようになったが、一体どのようなものなのだろうか。「5G」とは第5世代移動通信システムの略称で、携帯電話などの通信に用いられる次世代通信規格のひとつである。Gとは「Generation」の頭文字であり、5世代目を表している。携帯電話の歴史は10年程度のスパンで進化しており、第1世代は1980年代の自動車電話やショルダーホンのアナログ回線、1990年代にはデジタル回線の2G、2000年代に登場した3Gではデータ通信が高速化し、2010年代初頭に登場した4Gによってスマートフォンが一気に普及した。そして次なる5Gでは4Gに比べて通信速度は20倍、遅延は10分の1、同時接続数は10倍になるそうで、私たちの日常が激変するほど多くの恩恵を受けるだろう。建設業においては建機の遠隔操作や制御システムによる安全性の向上、省力化と生産性向上にも大きく役立つ事を期待したい。

 千葉県での大規模停電で痛感したように、今や電気や通信の無い生活など考えられず、文明の力は私たちの暮らしを大きく変えた。新しい時代に取り残されないよう必死にしがみついていかねばならないが、文明の進化の反面、人間の能力が退化せぬよう精進せねばなるまい。

 

代表取締役社長 森 雄一

2019年9月号(第125号)


 1999年10月に森組に入社した私だが、気がつくと今月で丸20年となる。「もうそんなに経ったのか」というのが率直な感想で、この機会にこれまでを少し振り返ってみようと思う。

 入社当時の社員数は役員9名、管理職員30名、技術職員4名、作業員11名、青森作業員19名で合計73名、現在の2倍以上である。入社した当日に安全集会と社員会議があり、そこで初対面(といっても盆正月に顔を合わせている社員も多かったが)、挨拶をした。初仕事が入社試験の面接で、そこで採用を決めたのが竹原君だ。当時まだ高校生の華奢な青年だったが、今はもうその初々しさは無い(笑)神田専務や田島部長ともよく現場周りをした。ふるさと林道城福線、広域農道、立山砂防、ほ場整備、利賀渓間工事等々、現場数が多い中で社員の皆さんが一生懸命仕事に取り組んでいた。しばしば社員と衝突する事もあったが、それだけ真剣に社員と向き合ってきたし、その過程を経て様々な試練を乗り越える事ができたのだと思う。

 20年、人間で言うと成人を迎えるわけだが、まだまだひよっこだ。一生勉強、一生成長の気持ちで、社員の皆さんと共に安心安全な社会と人々の笑顔をつくっていきたい。

 

代表取締役社長 森 雄一

2019年8月号(第124号)


 ようやく梅雨明けしたかと思えば一転して真夏日が続き、夏本番を実感する。今年の梅雨明けは昨年より15日遅いが平年並みだそうで、いかに昨年が長い夏であったのかを物語っている。昨年支給した空調服がとても効果的との事だが、暑い中、現場で頑張っている皆さんには、くれぐれも熱中症に注意して仕事にあたってもらいたい。

 招致が決定した時はまだまだ先の事だと思っていた東京五輪も開催まで1年を切った。夏季五輪とはいえ、近年の猛暑を考えると、もう少し涼しい時期に開催できないものだろうかと思う。IOCでは夏季五輪開催日を7/15〜8/31の間に設定することを大前提としており、これは欧米のテレビでの放送時間を多く確保するためとのこと。放映権などの裏事情も分からないではないが、選手や観客を含めた安全を第一に考えてほしい。選手が安心して最高のパフォーマンスを出せる環境を整えてこそ、記録と記憶に残る大会になるのではないだろうか。環境と成績との相関関係は何もスポーツの世界だけではなく、私たちの職場環境にも当てはまることだろう。様々な面から働き方改革を考えていかねばならない。

 

代表取締役社長 森 雄一

2019年7月号(第123号)


 先月実施した社員旅行、今年は名古屋方面ということで、現存する日本最古の木造天守の犬山城、木曽川を遊覧しながらの昼鵜飼い鑑賞、童心に帰って謎解きを楽しんだ明治村、トヨタの工場見学等、仕事を離れて社員の皆さんと過ごした時間は、とても有意義なものであった。中でも印象に残ったのはトヨタの工場見学で、随所に代名詞である「改善」が見て取れた。トヨタにとって「改善」は会社経営の根幹であり、無限の可能性を持っている人間の力を最大限に活かすため、知恵を絞って現状を常により良い方向に改善するという風土がしっかりと浸透しており、社内には次のような言葉が語り継がれているという。

「会社には仕事に行くのではなく、知恵を出しに行くのだ」(常に現場では知恵を求められる)

「ムダな仕事をさせることは、その人の人生をムダにすること」(部下の能力を最大限に引き出すことが、上司の役割)

「仕事とは、作業+改善である」(決められたことをやるだけ(作業)では、仕事とは言えない)

 なるほど、頷けることばかりである。世界のトヨタだから改善ができるのではなく、改善の重要性を創業期から徹底して突き詰めてきたからこそ、世界のトヨタになり得たのだ。常に知恵を絞ってより良い方向に改善すること、私たちも見習っていこうではないか。

 

代表取締役社長 森 雄一

2019年6月号(第122号)


 「朝ドラ」の愛称で親しまれるNHKの連続テレビ小説が、来春から月〜金曜の週5日に短縮されるという。長時間になりがちな制作現場の負担を減らすのが大きな理由らしい。働き方改革がこんな所にまで及ぶのかと驚いた。今や企業において働き方改革は避けては通れないもので、4月より義務化となった年5日の有給休暇取得義務や工事現場における週休二日制度の施行、ICTの活用による省力化等も、全てこの働き方改革によるものだ。

 1974年に発刊され、当時社会現象を起こした「ユダヤの商法(著:藤田田)」には、「向こう(ユダヤ人)が週5日働くなら、うちは6日働く、という考えは間違っている。そんな考えでは絶対外国人相手に商売などできない。5日働いてペイできないような商売ならサッサとやめた方が賢明だ」と言っている。これを今ではなく半世紀近くも前に指摘しているのだから頭が下がる。我が社も乗り遅れる事なく働き方改革に取り組んで行くが、並行して取り組まねばならないのが生産性向上だ。常に問題意識を持って仕事に取り組み、より良い方向へと進むその先に、社員の幸福が待っている。

 

代表取締役社長 森 雄一

2019年5月号(第121号)


 平成から令和へと、新しい時代が幕開けした。202年ぶりとなる譲位を全国民で祝福できるようにと、初となる10連休で迎えたわけだが、その盛り上がりは想像以上であったように思う。昭和から平成への移り変わりは天皇陛下の崩御により新元号を迎えるという、悲しみと希望が入り混じる複雑な心中であったが、今回の皇位継承は旧天皇皇后両陛下に対する感謝と敬意の気持ち、そして新天皇皇后両陛下への期待と祝福に満ち溢れ、誰しもが幸せな気持ちで迎えることができたのではないだろうか。全国民が一つになれる、まさに象徴天皇としての姿に、深い感銘と感動を覚えずにはいられない。

 さて、新しい令和の世はどのような時代になるのだろうか。永く平和な時代が続く事を願うばかりだが、我が社にとっては大きな進化を遂げ、飛躍する時代としたい。私たちは未だ発展途上で、日々研鑽を積む事によって成長の芽を伸ばしていかなければならない。「モノづくりは人づくりから。」謙虚に自らを省み、相手を認め思いやり、互いに切磋琢磨できる、人を育む企業こそが、令和の時代に飛躍を遂げる事ができるのだ。

 

代表取締役社長 森 雄一

2019年4月号(第120号)


 皇太子さまの新天皇即位まで1ヶ月となった4月1日、新元号が「令和」に決定した。現存する日本最古の歌集である万葉集が由来で、「人々が美しく心寄せ合う中で文化は花開く」という意味が込められているという。近現代において初めて戦争を経験せぬ時代であった平成から、はたしてどのような時代となるのであろうか。責任世代である私たちが時代を引っ張っていく気概を胸にしつつ、心静かに歴史的な皇位継承を見届けたいものだ。

 このようなお祝いムードもつかの間、政府は他の候補や考案者については公表しないこととしていたが、翌日の報道では早々に6つの原案が報じられた。政府は今回、情報管理を徹底していたはずなのに、何故このようにいとも簡単に漏洩してしまうのだろうか。「人の口に戸は立てられぬ」と言うが、これで国家機密や国益を守れるのか、そこにはガバナンスの欠如があるのだろうと思う。

 国家においても企業においても、組織はガバナンス(統治)が重要である。統治というと何やら鎖でがんじ絡めにされて自由を奪われるようなイメージがあるかもしれないが、ガバナンスにより社会規範や制度が形成され、結果として組織の価値を高めていくのである。「人の振り見て我が振り直せ」、我が社のガバナンスはどうであろうか。

 

代表取締役社長 森 雄一

2019年3月号(第119号)


 来日して1ヶ月間の研修を終え、第2次技能実習生であるチュン君が現場配属となった。彼らの仕事ぶりは第1次生の2名で実証されているとおりであり、どうか一日でも早く仕事を覚える事ができるよう、社員の皆さんにはしっかりとした指導をお願いしたい。彼らに驚かされるのは何と言っても日本語習得の早さである。第1次生は来日して7ヶ月、第2次生は来日してわずか1ヶ月、来日前に半年間の語学研修を受けているとはいえ、最も難しいとされる日本語をわずかの期間で習得するのは並大抵の事ではないだろう。情けない事に、私は英語を中学から大学まで10年間勉強したが英会話など全くできないし、例え海外に移り住んでもそんな短期間で会話ができるとは全く思えない。彼らと私たちで一体何が違うのか、それは必ずやり遂げるという並々ならぬ覚悟だろう。まだ若いが、彼らの姿から学ばなければならないと感じる次第である。

 先日、25年前に中国から研修生として我が社に来ていた蒋(しょう)さんが訪問団として来日し、会う機会を得た。彼曰く、「たった2年間だったが、今の自分があるのは森組のおかげであり、福光は第2の故郷のように愛着がある」と、本当に感謝してくれた。今の実習生達も、我が社での仕事を機会として素晴らしい人生が拓ける事を願っている。

 

代表取締役社長 森 雄一

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